ひとつのものが世代を超えて愛されることは、至難の業だ。それもそのはず、時代は常に流れており、同じであり続けることの方が難しい。何ならフロッピーやカセットテープのように、存在自体が消えていくものだって少なくない。
それだけに数十年も続く飲食店は、食べる前からスゴいことが証明されているようなものだが、福岡県春日市には昭和58年の創業以来、二代に渡り30年以上も愛され続けているラーメン店がある。その名も『ラーメン やまもと』。長年、人気の理由は一体何なのか。実際に味わってみることにした。
・ベッドタウンにあるラーメン店
福岡市のベッドタウンとして人口も多い春日市。その閑静な住宅街の中に『やまもと』はあった。店内に入ると、博多華丸さんをはじめ、有名人のサインがズラリと飾ってあり、人気は想像以上。もはや食べる前からテンションが上がるというものだ。
・アッサリ目で食べやすい
さっそく、ランチのラーメン&焼き飯の焼き飯セット(830円)を注文。ラーメンが出てくるまでの間、説明書きを読んでいると……ふむふむ! 同店は伝統的な博多ラーメンの製法をもとに作っているという。そしてスープは豚頭を長時間炊き続け、背脂などをその間少しずつ足して煮込み、絶妙なタイミングで潰しながら作るとのこと。
……と、文字を見るだけでもこだわりが伝わってくるようだが、その真髄を知ったのは食べてみてから。というのも、出てきたラーメンは泡立っているも、臭みはほとんどなく、フェイントを仕掛けてくる一品だったのだ。それで味も濃いと見せかけて……からのアッサリ目だからギャップ萌えする。
・老若男女が好む味
そしてさらにラーメンを高みに連れていくのが、博多の老舗製麺所に特注で仕入れているという細麺。ズズズッと勢いよく食べてみると、シッカリとスープと絡み合った麺は胃袋を刺激する。これは老若男女に愛される味と言おうか。
まさしく万人受けするとはこのラーメンを指すと言っても過言ではないくらい、ホッとする安定感を味わうことができた。これまた、説明書きの「コクと旨味を極限まで引き出した特製スープ」という表現も納得。うまい! この一言に尽きる。
・県内に2店舗
時代とともに試行錯誤してきたことが味からわかるラーメンは、そうお目にかかれない。名付けるならば「進化系」とでも言おう。器から歴史も感じられるのもまたグッドな『やまもと』は、県内に2店舗。福岡の中心地にある訳ではないが、一度は食べておきたい老舗である。
・今回ご紹介した飲食店の詳細データ
店名 ラーメン やまもと本店
住所 福岡県春日市下白水南1−8
時間 11:00〜21:00(LO20:45)
休日 木曜(祝日の場合は営業)
Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼お店の外観。もう1店舗は筑前町にある
▼モチのロンで焼き飯もうまい。老舗が繰り出す味!