手首の内側を斬りつける行為をリストカットという。自らの命を絶つためではなく、気持ちを落ち着かせるため、自己の存在を確認するために、リストカットをする人も多いと言われている。

今回、ある有名コスメの広告が「リストカット」のようだと物議をかもしているそうだ。どのような広告内容なのだろうか?

・有名コスメによる、新しいアイシャドウの広告

日本でも人気の海外コスメブランド『Urban Decay(アーバン・ディケイ)』が、新しいアイシャドウを発表した。その名も「レイザー・シャープ」。SNS 上に掲載された宣伝写真には、何色ものアイシャドウの細い線が引かれた手首がうつっている。

・「レイザー・シャープ」+ 細い線が走った手首 = リストカット?

一目でアイシャドウの色が分かって便利なのかもしれないが、この表現方法はちょっとマズかったようだ。“カミソリ” という意味を持つ「レイザー」と、何本も細い線が走った手首が、“リストカット” を想起させるとの声がネット上に寄せられたのだ。

「この広告を見て、リスカを思い出した。アーバン・ディケイにそのつもりがあるかは分からないけど」
「社内で反対する人はいなかったのかな?」
「趣味が悪い。誰かを自殺させるトリガーになるよ」
「アーバン・ディケイはなにを考えているんだろう。自傷はトレンドでも、クールな行為でもない。心の病だ」

もちろん「リスカを表現しているはずがない」「これをリスカだと思う人は過保護に育てられたんだね」など、アーバン・ディケイを擁護する意見も見受けられた。しかしアーバン・ディケイは問題の広告を SNS 上から削除し、「リストカットを表現したつもりではない」と釈明したのだった。

・自傷行為を経験した人物「人によって見え方が違うはず」

ちなみに海外メディア『The Mighty』では、自傷行為を経験したという2人の人物が、問題のあった広告について以下のように語っていた。

「自傷行為に苦しんだことのない人がこの広告を見ても、なにも感じないでしょうね。でも自傷行為を経験している人なら、反応してしまうんです。マーケティングの運の悪さもあったと思いますが、誰かがリストカットみたいだと気付くべきだったと思います」

「広告に傷ついた訳ではなく、何も感じませんでした。私もあのような傷が手首に残っています。決してアイライナーなんかではありません。マーケティングチームは、今回の広告が消費者に与えた影響を真摯に受けとめるべきではないでしょうか」

人によって見え方が違ってきそうなこの広告。あなたの目にどう映るだろうか?

参照元:The MightyMetro(英語)Twitter @MetroUK
執筆:小千谷サチ

▼こちらが物議をかもした広告写真だ!