nosatosukiyaki

ひとくちに家庭料理といっても、その家だけに代々伝わる独自の料理というものがある。子供のころは一般的な料理だと思っていたのに、大人になってからハッと気づく。ウチだけだったんだ……と。名前こそ同じなのに、違う料理だったのか……などと!!

そんな “ウチだけだったんだ” 的な家庭料理を紹介するのが、先月から始まった「誰も知らない伝統レシピ」のコーナーだ。記念すべき第2回は、私(GO羽鳥)の家に代々伝わる人気メニュー『砂糖を使わないすき焼き』をご紹介したいと思う。

・レシピ『砂糖を使わないすき焼き』

材料(1〜2人ぶん)
・牛肉:なるべくいいやつ。200グラム。
・牛脂:お肉屋さんやスーパーでもらおう
・豆腐:1丁
・しらたき:糸こんにゃくでもOK
・ほうれんそう:春菊でもOK
・ネギ:1本まるまる
・お好みでキノコ類:良いダシがでるぞ!
・お好みで他の野菜:私はニンジンを使用
・たまご:食べる時に使用
・酒:300cc
・しょうゆ:100cc
・みりん:大さじ2
nosatosukiyakisyokuzai

・砂糖を使わないすき焼きのつくりかた

その01:野菜を切っておく。
nosatosukiyakiyasai

その02:ナベに牛脂を入れて油を出し、しらたきを炒めて臭みを取る。
nosatosukiyakishirataki

その03:酒300cc、しょうゆ100ccを投入。この分量でなくても3:1の割合でOK。あとはみりんを大さじ2入れて、豆腐も入れてグツグツ。味を染み込ましてしまおう!
nosatosukiyakigutugutu

その04:野菜類を次々と投入。真ん中辺りに、主役の肉が入る舞台を開けておいて、トップバッターの牛肉を少しだけ入れてダシを出す。グツグツ。
nosatosukiyakitopbatter

その05:続いて、主役である牛肉をバシバシと投入。おわり! 溶き卵にくぐらせて食べよう!
nosatosukiyakigamestart

──以上である。

ポイントは砂糖は無論、水すら使わないこと。しらたきや豆腐、野菜などから水分が出るうえ、牛肉の出るダシも100%味わいたいので、薄める必要なんて一切なし! ダシ&ダシ&ダシを、タマゴでチュルーンと包み込み、パクリと口に入れてみると……

nosatosukiyakipakuri

ズガーンとド真ん中ストレートに、食材の味がバシーンと来る! 食材という名の選手たちが、酒&しょうゆ&ダシという厳しい世界で武者修行をし、タマゴという名のスーツを身にまとって、さっそうとジェット機で凱旋帰国するような感じである。どうかみなさんも味わって欲しい。本当に美味いんだ! ごはんにかけても美味Cぞ!!

nosatosukiyakigohan

・砂糖ありのすき焼きが食べられない!

まさしく一切の「甘え」がない、直球すぎるこの「砂糖なしすき焼き」を食べて育った私は、成人になって “一般的なすき焼き” を初めて食べた時、心の底からビックリした。甘すぎる! これは何かの間違いだろう……と、しばらく本気で思っていた。

しかし、どのお店で食べても、すき焼きは甘かった。「すき焼きのダシ」的な商品を買って試してみるも、震えてしまうほどに甘かった。吉野家ですき焼き的なメニューが登場した時も、やっぱり甘すぎて食べられなかった。そして初めて気がついた。

「すき焼き=甘い」が王道で、ウチのすき焼きは邪道だったのか……と。

nosatosukiyakijado

しかし、そんな「砂糖なしすき焼き」の写真をSNSにアップしてみたら、「うちのすき焼きも砂糖を使いませんヨ〜」という人がいたので少し安心した次第。もしかしたら、「砂糖なしすき焼き派」の家庭も、ものすごく少数ながら存在するのかも\(^O^)/

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
★こちらもどうぞ → 羽鳥レシピシリーズ「キッチンはとり