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うなぎ屋の前ほど危険な場所もないだろう。そのあまりにもデンジャラスな香りで、大昔から日本人を惑わす魔の一帯である。ここを通ると「ああ、うなぎ食いてぇ」となるものだ。しかし、そのうなぎ屋でもしラーメンが出てきたとしたら? そんなのありえないって? あったのよ、それが。

店構えは年季の入ったれっきとしたうなぎ屋。店に入って座敷に上がっても、どう見てもうなぎ屋。そして、そこで食べられるという世にも奇妙な『うなぎラーメン』。な、何なのだこれは……。果たしてその味はいかに。東京・亀戸にあるうなぎ屋「八べい」にお邪魔した。

・どう見てもうなぎ屋

お店は駅から少し離れている。JR亀戸駅から徒歩で15分弱。亀戸天神社の真ん前にあるのが、うなぎ屋「八べえ」だ。ラーメンを食べられるような気配は一切しないのだが……。「バッキャロー! ラーメンなんてねぇよ、うちはうなぎ屋だい!」とキレられやしないだろうか。

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・実在した『うなぎラーメン』

案内された座敷でお品書きをじっくり見てみると、ホントに発見『うなぎラーメン』の文字。マジであったよおい! 醤油か味噌で選べるので味噌をチョイス。なんでも、うなぎの身から出汁をとっているとのこと。味の予想がまるでつかないが、これ、もしかしたらすごい贅沢なラーメンなんじゃないの?

・ラーメン屋かと思った

お店の方が持ってきてくれたラーメンは、驚くほど普通にラーメンだった。どこから見ても、まるでラーメン屋みたいに本格的。これはめちゃウマそう! 煮卵にメンマ、なるとはわかるけど、チャーシューの代わりに何か黒いものが。これ何だ?

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・うなぎ出汁100%の味とは

とりあえず、まずは誰もが気になるだろうスープから飲んでみる……。おお! 正直、食堂の味噌ラーメンみたいなものを想像していたのだが、これは見た目だけでなく味もラーメン屋そのもの。ウマいじゃないか! そして、スープの奥から感じる魚介チックな風味。これが、うなぎか?

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うなぎを焼いているあの香ばしい匂い。まるであの香りがスープに溶け込んでいるかのような味だ。コクはあるのにギトギトしていないし、生臭さはまったく感じない。麺ともよく合う。うなぎ100%だとこういう味になるんだなぁ。

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・うなぎ尽くし

チャーシューの代わりに上にのっている黒いもの。これはうなぎのカブト、つまりうなぎの頭なのだ。炭火で焼いて、圧力鍋で煮たものらしい。骨も食べられるほど柔らかく煮込まれているぞ。煮卵もうなぎのタレに漬け込んであるとのことだ。どこを切っても全部うなぎ。うなぎオールスターズである。

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・うな重もいただく

うなぎラーメンを堪能したわけだが、うなぎ屋に来てうな重を食べないのは逆に失礼というもの。というわけで『うな重 特々上(2800円)』、お願いしゃーす! ただ食べたいからじゃないぞ。そう、これは取材なのだ。つまり仕事の一環で食べてい……よっしゃぁぁぁうな重キターーーーー!!

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おお……見ているだけで気を失いそうである。焼き方は、蒸焼(関東風)か堅焼(関西風)で選ぶことが出来るぞ。関西風はうなぎを蒸さないので皮がパリパリらしいが、私(あひるねこ)は蒸焼でお願いした。口に運べば完全にそこはユートピア。うなぎ、柔らけぇ……うめぇ……幸せぇ……。

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・ニューうなぎスタイル誕生

話をうなぎラーメンに戻そう。帰り際、女将さんが口に合ったか気にしてくれたのだが、私はスープまで完飲している。それが答えだ! うなぎの蒲焼や白焼などをつまみ、最後にうなぎラーメンで締める、という新たなスタイルが誕生したのかもしれない。うなぎLOVEな人はぜひお試しあれ。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 八べえ
住所 東京都江東区亀戸3-2-8 宮川ビル1F 亀戸天神参道
時間 11:30~14:00、17:00~21:00
休日 月曜

Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

▼マジであった
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▼うなぎラーメン(830円)
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▼うなぎを焼いているあの香ばしい匂いが、スープに溶け込んでいるかのような味だ
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▼うなぎ出汁100%とのこと
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▼チャーシュー代わりに、うなぎのカブトがのっているぞ
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▼うな重 特々上(2800円)
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▼見ているだけで気を失いそうである
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▼うなぎ、柔らけぇ……うめぇ……幸せぇ……
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▼もちろん肝吸い付きだ
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▼世にも珍しい『うなぎラーメン』、うなぎLOVEな人はぜひお試しあれ
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