福岡の博多を拠点とするアイドルグループ「HKT48」の新曲『アインシュタインよりディアナ・アグロン』の歌詞が、「女性蔑視だ」とネットで大炎上している。
曲のタイトルに登場するディアナ・アグロンは、世界中で大ヒットした青春ミュージカルドラマ『glee / グリー』の登場人物を演じた女優の名前なのだが、『glee』ファンからも、「ドラマを侮辱している」などといった批判の声が挙がっているのだ! 一体、どうして?
・HKT48の新曲がネットで大炎上!!
ネットで炎上している『アインシュタインよりディアナ・アグロン』は、2016年4月13日に発売された、HKTの7枚目のシングル『74億分の1の君へ(TYPE-C)』に収録されたカップリング曲だ。問題の歌詞を担当したのは、AKBグループのプロデューサーで、作詞家としても活躍する秋元康氏である。
歌詞には、「世の中のジョーシキ、何も知らなくてもメイク上手ならいい」、「女の子は恋が仕事よ、ママになるまで子供でいい」といったフレーズが登場。ザックリ言うと、「女はアインシュタイン(頭脳)よりも、ディアナ・アグロン(ルックス)が重要だ」ということが歌われているのだ。
・『glee』でのディアナの役どころは!?
さらに歌詞は、「グリーのように」で締めくくられている。ディアナに、「グリー」とくればドラマ『glee』を思い出す人も多いはず。これがさらに火に油をそそぐ結果になってしまったようだ。
たしかに、この歌詞に使われているのが、なぜ「グリー」で、なぜ “ディアナ・アグロン” なのか、海外エンタメライターの筆者も首をひねってしまった。しかし、皆さんのなかには『glee』を見たことがない人もいるだろう。まずは、本シリーズにおける、ディアナの役どころとドラマについて簡単に説明してみたい。
ディアナ演じるクインは、高校でチアリーダーとして活躍する美少女だが、高飛車で、思いやりの心など持ち合わせていない性格だった。中学生の時は肥満体型で、顔を整形して美人になったという過去を持つ。
グリー(合唱)部を潰すためにクラブに入部したクインだったが、普段は付き合うことのないタイプの部員達と大会を目指すうちに、仲間意識に目覚めて人間的に成長していくといった役柄だ。ちなみにクインは、高校卒業後に超名門のイェール大学に進学している。
・現代の若者が抱える問題を取り上げている『glee』
コメディ調で歌やダンスが満載の『glee』は、一見華やかな学園ドラマに見えるが、本作では、現代の若者が抱える数多くの問題が取り上げられている。クインは、避妊しない性行為で赤ちゃんができてしまい、10代の望まない妊娠も描かれているし、いじめや同性愛、摂食障害といった問題も登場するのだ。
そんなドラマであるゆえに、秋元氏の歌詞が『glee』ファンや、女性が社会の発展や改革に必要な力をつける “エンパワメント” を支持する人々の反感を買ってしまったようである。
・ネットユーザーから怒りの声が!
それでは、問題の曲について、ネットユーザーから挙がっている怒りの声を、いくつか紹介してみたい。
「想像以上にひどかった」
「クインってこんな頭からっぽじゃないし」
「ディアナ・アグロンもクインも知性の塊だ。あのバカな歌詞には合わない」
「ディアナは可愛いしキレイだけど、それだけじゃない」
「どんな問題意識をもって『glee』が作られていたか、どれだけ、アメリカのドラマ界に革命を起こしたか知らないのか。何を言ってるんだ本当に…」
「てか、gleeやディアナ抜かしても歌詞のコンセプト自体が酷い」
「日本のポップカルチャーは、アメリカをはじめ全世界に輸出されています。日本の文化程度の低さを、世界に広報しているようなものです」
読者の皆さんは、『アインシュタインよりディアナ・アグロン』の歌詞に、どんな感想を抱いただろうか? この歌詞に関する論争は、しばらく続きそうな気配である。
▼ネットで大炎上中の『アインシュタインよりディアナ・アグロン』のプロモビデオはこちら
▼世界中を感動の渦に巻き込んだ大ヒットドラマ『glee』の予告編はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=_V2wI3wZky0