【閲覧注意】生まれて初めて “昆虫” を食べてみた結果 → ゲンゴロウの味が忘れられない(その2)
・サソリ
まず、運ばれてきたのはサソリネギマ。黒く艶のあるサソリのボディーを貫いた串の先にネギが刺さった豪快な料理だ。このネギのアイデンティティーには大いに疑問が残るところだが、サソリは基本中の基本である。
これをクリアできなければ、その後に続く猛者たちをクリアするのはまず不可能。そもそも、中国では4000年前から王族が健康維持のために食べている高級食材だ。食べられないわけがない。っていうか、サソリ食えるなんてめっちゃラッキーやん。もう王族になったも同然じゃね? ホンマ、ロケットニュース24に来てよかったわ。パクッ!
こ……これは……!? パリパリした殻の歯ごたえがエビのようだ! いや、噛みきりやすい分エビの殻よりナイスな食感かもしれない。しかも、結構食べごたえがあるぞ。若干、漢方のような風味が残るので好き嫌いは分かれるかもしれないが、思ったより全然癖がなく確かに健康に良さそうな味だった。サソリやるやん! 普通にもう1個食いたい。
・カイコ
次に登場したのが、カイコの茶碗蒸し。幼虫と言えば、小学生の頃のこと。木登りが好きだった私は、ある日、学校の校庭に生えている木に登ろうとした。手をつけた瞬間、なんか木肌がグニャっとした。何この感触? と目を凝らして見てみると……そこには、木の幹に擬態した大量の超ド級幼虫がウジャウジャ張り付いていた。
それ以来、私は木に近づかなくなり幼虫を見ると鳥肌が立ってしまうようになった。何が言いたいかというと、カイコの茶碗蒸しはキツイ……。やっぱ無理っす……ごめんなさい。そんな青ざめた私の顔を見て佐藤記者が1言「俺が食うよ」。マママ、マジっすか!?
いやしかし、それでいいのか中澤。弱点を克服するんじゃなかったのか? ここで先輩の力を借りてお前は胸を張って「虫食いました」って言えるのか!? ……そんな葛藤をしているうちに今にもカイコを食べそうな佐藤記者。ちょ、ちょっと待って! 自分食べるんで!!
勢いでいった。4匹くらいいった。ここで1つ発見したことがある。外見はグロテスクな昆虫料理だが、食べる瞬間はその姿は見えない。そのため腹さえくくれば、意外と口にいれる時はなんとも思わないのだ。結論から言うとカイコもウマかった。身が柔らかく銀杏みたいな味で、外見を見なければカイコと気づく人はいないだろう。1つ大人の階段を上った気分である。
・ゲンゴロウ
最後に出てきたのは、6種の昆虫食べ比べセット。本来なら、イナゴ、カイコ、サソリ、タケムシ、コガネムシ、ゲンゴロウの6種類だが、店員さんのご厚意でサソリを蜂の子に変更してくれた。カイコのトラウマに打ち勝った私にとっては、もはや恐れるものではない……と言いたいところだが、1つだけどう見もヤヴァそうなヤツがいる。
ツヤツヤした黒い羽、ひときわ大きい体、大きな目……今にも飛び立ちそうな姿で素揚げされたゲンゴロウだ。いくらなんでもこれはアウトちゃうか?
この店の店員さんをもってして
「ゲンゴロウはヤヴァイ」
と言わせる1品である。じゃあ出すなや! でも、ここまで来て食わないわけにはいくまい。もうゴキブリじゃなければなんでもいいわ。いざ、実食……
うん……羽。ツルツルしていて滑るのを頑張って噛んでみたら……とにかく大きな羽が固くてシャリシャリだった。口の中でバラバラになっていくゲンゴロウがリアルに想像できる。まるでカブトムシ食っているみたいだ……食ったことないけど。
また味は若干泥くさく、これまでの昆虫料理と違ってこれでもかというほど虫感全開。人間として一歩踏み外してしまった感じさえする。死ぬ時に思い出しそうな味と食感だった。
今まで昆虫から逃げてばかりいた私。しかし、店を出るころには、イナゴで箸休めをするレベルにまで到達したぞ! イナゴがこんなに安心できるものだったなんて知らなかったよ……。弱い自分を変えたいあなたは、「米とサーカス」で昆虫を食べてみてはいかがだろうか。
・今回紹介した店舗の情報
店名 米とサーカス
住所 東京都新宿区高田馬場2−19−8
営業時間 17:00~翌5:00(LO4:30)
定休日 無休
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
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