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スマホやタブレットが多機能になり、音楽や映画などがさらに身近になった昨今。せっかくならスピーカーに接続して高音質なサウンドを楽しみたいと思う方も多いのではないだろうか。

そこで最近ヒットしているBluetoothスピーカーのうち、「価格.com 売れ筋ランキング1位」と「Amazon ベストセラー1位」のスピーカーの音質をグラフにして、どちらが “買い” なのかを検証してみたゾ!

・Bluetoothスピーカーとは

そもそも、Bluetoothスピーカーについて知らない方のために説明しておこう。Bluetoothスピーカーとは、文字通り「Bluetooth(ブルートゥース)」という無線通信に対応したスピーカーのことを指す。

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ここ数年以内に発売されたスマホやタブレット、パソコンなどは、Bluetoothの通信に対応しているものがほとんど。ということは、Bluetoothスピーカーがあればワイヤレスで接続できて、気軽に音楽が楽しめてしまうのである。

・「価格.com 売れ筋ランキング1位」vs「Amazon ベストセラー1位」

冒頭でお伝えした通り、数あるBluetoothスピーカーの中から今回検証の対象として選んだのは、2016年2月9日時点で価格.com 売れ筋ランキング1位の「Bose SoundLink Mini Bluetooth speaker II」、そしてAmazon ベストセラー1位の「Anker SoundCore」だ。

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・Boseがケタ違いに高価

価格はBose(ボーズ)のSoundLink Mini Bluetooth speaker IIが価格.comの最安値で2万5980円、Anker(アンカー)のSoundCoreはAmazonでの販売価格で3999円。こうしてみると、Boseがケタ違いに高価だが、音質にどこまでの差が出るのだろうか。

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・耳で聴く以外に音質をグラフ化して比較

検証方法は、筆者が実際に音楽を聴いた感想と併せて、音質をグラフ化してくれるiPhone用アプリ「Audio Frequency Analyzer」も使用した。ちなみに “グラフ化” といっても大掛かりなものではなく、YouTubeにアップされている検査用の電子音をスピーカーで再生し、それをiPhoneの内臓マイクにキャッチさせ、アプリで自動的にグラフにするという簡易的なものだ。

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・Boseはサイズを超えたパワー感

では、はじめにBoseのスピーカーで様々なジャンルの音楽を聴いてみよう。Bluetoothで接続してから音楽を再生すると……広がりのある透き通った高音とコシのある低音、さらには重低音がブンブンと身体に響いてくる。完全にサイズを超えたパワー感で、ある程度音量を絞ってもまだ他の部屋に響いていないか心配になるレベルだ。

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・グラフから見て取れるBoseのバランスの良さ

続いてグラフを見てみよう。見方としては、左が低音で右が高音で、ゲージが高く上がるほどボリュームが出ていることになる。ちなみにグラフの40Hz(ヘルツ)から左側は何らかの理由で床の振動が発生した際の環境ノイズなので無視していただきたい。

さて、まずBoseでは、重低音から高音までバランス良く伸びている様子がグラフから見て取れたが、Ankerとどのような差が出るのだろうか。

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・AnkerはBGMとして音楽を流すのには最適

次は、Ankerのスピーカーで同じ曲を再生だ。高音の繊細さや低音の迫力はBoseより劣ってはいるものの、“音が良くない” とは全く感じない安定したサウンドだ。むしろ派手さが抑えられている分、BGMとして音楽を流す分にはちょうど良い。

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・重低音がほとんど出ていない

さらに計測した結果をグラフで見てみると……160Hzあたりから左にガクンと落ち込んでいる。これは、簡単に言うとBoseで鳴っていた身体に響くような重低音がほとんど出ていないということ。グラフを見比べるとその差は歴然で、筆者が耳で聞いて感じ取ったサウンドの違いがしっかりと値に反映されていた。

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・オススメは……

そして、耳と目で検証してみた結果、筆者のオススメは……Anker SoundCoreである! なぜなら、価格も3999円とリーズナブルでありながら音もほどほどに良い。この “ほどほどに良い” というのがポイントで、筆者が思うBluetoothスピーカーのメリットである「気軽に使う」という面でより条件に適していると判断したからだ。

その他、音質以外のスペックだが、重さはBoseが670グラムのところ、Ankerが370グラムと圧倒的に軽く、連続再生時間はBoseが約10時間のところAnkerは、な、なんと約24時間!! ポータブルという視点でみてもAnkerが圧倒的に有利となっているぞ。

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確かにグラフで見てもわかるようにBoseのパワフルでありながらバランスのとれたサウンドは本当に素晴らしいもので、買って損をするということはないだろう。しかし、コンパクトであるが故に左右独立したスピーカーと比べるとステレオ感に欠けるという点では、安価なAnkerとさほど変わらないのが惜しいところであった。

もし、携帯性よりも音質を求めるのなら、左右独立したスピーカーを購入した方が満足できるかもしれない。ひとまず気軽に楽しむことを重視して、Anker SoundCoreを購入してからその先を考えてみるというのはいかがだろうか。

参考リンク:価格.com「人気ランキング」、Amazon「売れ筋ランキング」
Report:K.ナガハシ
Photo:Rocketnews24.

▼「価格.com」と「Amazon」の1位同士が対決だ。
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▼これがiPhone用の音質計測アプリ「Audio Frequency Analyzer」である。
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▼そして測定に使用した動画がこちら。

▼測定試験中……。
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▼まずは価格.com1位の「Bose SoundLink Mini Bluetooth speaker II」から。
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▼Boseの測定結果がこちら。160Hz以下の重低音もしっかり出ている。
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▼Amazon1位「Anker SoundCore」
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▼Ankerの測定結果がこちら。重低音の周波数である160Hz以下が落ち込んでいるが……。
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▼気軽に楽しむという面でみると「Anker SoundCore」でも十分に感じた。
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