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飲食店の名前には、ある種の法則があると私(佐藤)は考えている。たとえばラーメン屋の場合、「武」とか「郎」などの漢字が使われるケースが多い。焼肉屋なら「苑」とか「亭」あたりだろうか。同様に喫茶店・コーヒーショップにありがちな名前が「ブラジル」である。

一体どれだけの数の喫茶店が「ブラジル」を名乗っているのだろうか? そこで調べてみようと思ったところ、別の疑問にぶち当たった。東京・東武練馬に、ブラジルテイストがゼロのブラジル食堂があることを発見。気になる、大いに気になる! ということで行ってみたらやっぱりブラジル感ゼロだった。

・「ブラジル」の文字だけが浮いている……

お店は東武東上線、東武練馬駅から徒歩10分ほどのところにある。閑静な住宅街ではあるが、通りには飲食店が何軒か軒を連ねている。ブラジル食堂はそのひとつ。外観からラテンのソウルが一切感じられない。どう見ても和風の食堂。暖簾の「ブラジル」という文字だけが、なんだか異質なものに感じられる。

・入り口に注意書き

お店に入ろうとしたところ、引き戸の手元のところにガムテープが貼ってあり、何かが書かれている。

「ごはん おかず (めしや)」
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これはもしかしたら、食堂であると知らずに入ってきてしまう人がいるのだろうか。めしやであることを訴えたいのなら、もう少し大きく書けばいいのに……。何だか控えめな主張のように思える。

・おかずを選ぶシステム

中に入ると、まぎれもなく食堂だ。むかって右側に厨房があり、カウンターの上のケースに値札のついたおかずが並んでいる。このなかから好きなものを選んで、自分好みの定食を完成させるシステムだ。カウンター席は6つ、それに2人かけと4人かけのテーブルがそれぞれひとつずつある。昼時に行ったら客は私だけだった。

・最近少なくなった

陳列されたおかずは、揚げ物や煮物、それにサラダ。さらには肉や魚の切り身まである。どうやら、食材を選んで調理してもらうことも可能のようである。最近このタイプの食堂は随分少なくなった。食べたいものを食べたいように食うことができる、素晴らしい仕組みなのに。

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・昔馴染みの家庭的な味

私が食べたのは、チキンカツ(野菜の天ぷら付 200円)に、カレイの煮つけ(200円)、マカロニサラダ(100円)。これに210円のライスと70円の味噌汁がついて、合計780円だった。値段の割に品数が豊富で、かなり満足。味は昔馴染みの食堂にふさわしく、いたって家庭的。コンビニの味気ない料理の100倍は美味しく、身体に良いと感じられたぞ。

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・やっぱコーヒーだった

さて……。前置きはこれくらいにして。なぜ「ブラジル」なのか。その理由を女将さんに尋ねると、昔々コーヒーを売っていたそうだ。どうやらここも喫茶店発祥のお店。コーヒー豆の原産国ブラジルに由来する名前を、今でも継承しているようだ。ラテン色ゼロなんだから、ブラジルから離れた方が良いような気もするのだが……。

・今回訪問した店舗の情報

店名 ブラジル食堂
住所 東京都板橋区徳丸1-55-4
営業時間 10時頃~20時頃

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24.

▼住宅街に突然あらわれる「ブラジル」の文字
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▼どう見ても和風の食堂。「ブラジル」の文字に違和感
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▼好きなおかずを選んで先に会計をする。チキンカツとカレイの煮つけ、マカロニサラダにご飯と味噌汁で780円
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