一世を風靡した名曲『ロード』。作詞作曲を手がけた高橋ジョージさんは、一説によると16億円もの印税を手にしたという。1発ヒットを飛ばすと大きい音楽業界。印税生活は全ミュージシャンの夢である。しかしながら、そういった生活が送れているのは氷山の一角も一角。ほとんどのミュージシャンはメジャーデビューさえできずに楽器を置く。
売れないインディーズミュージシャンは、日中はバイトで身を粉にし、夜の時間にリハを重ね、寝る間も惜しんで作曲に励む。すべては良いライブをするため、そして売れるために。そんな明日をも知れないミュージシャンが、ツアーに出た時にありがちなことを「あるある」という形でお送りしたい。
・【売れないインディーズバンドのツアーにありがちなこと30連発】
1. お金を節約するため移動はもっぱら深夜の高速で行く
2. お金を節約するためサービスエリアでご飯を食べないようにする
3. 深夜のサービスエリアの定食がやたらウマそうに見える
4. 誘惑に負けて結局食べてしまう
5. お金を節約するため寝泊りは機材車
6. 2時間くらいしか寝てないことがほとんど
7. 漫画喫茶でシャワーを浴びる
8. 寝不足と節約でメンバー全員不機嫌
9. そんなこんなでたどり着いたライブハウスはボロボロ
10. 対バンが高校生
11. フロアには友達が3人で残りは対バンの人
12. 活動の仕方に疑問を持つ
13. メンバーが悪い気がしてくる
14. 自分のことも信じられなくなる
15. とにかく客が増えそうな希望が見えない
16. ブッキングマネージャーだけが褒めてくれて少し救われる
17. でもバック率は変わらない
18. 機材費もきっちり取られる
19. 運転係は打ち上げで酒を飲めない
20. 次の会場へも深夜移動
21. 移動中に今日のライブの反省をする
22. 酔っぱらっているメンバーがいるためカオスになる
23. いつの間にか喧嘩になっている
24. 喧嘩したままライブに突入
25. なぜか良いライブができる
26. 仲直りする
27. 帰りも深夜移動
28. BGMでフラワーカンパニーズの『深夜高速』が流れる
29. みんなで合唱する
30. 結局誰もが「生きててよかった、そんな夜を探してる」
──以上である。売れていないとしても、素晴らしい瞬間や良いライブというのは無数に存在する。億千の理解されない夜を越え、試行錯誤の末ボロボロになりながらも、光り輝く瞬間を見せるインディーズバンドは美しい。そんな輝く一瞬を体験できるだけで、音楽を続ける意味は十分あるのではないだろうか?
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.