20151113024425_580px

魔法瓶といえば、言わずと知れた保温性容器。外気の影響をほとんど受けずに温度を保つ、まさに魔法のような瓶(ビン)としてお馴染みだ。そんな魔法瓶選びに欠かせない大事な情報が、保温力だが……。保温力は、実際に使ってみないとわからない。むしろ使っていても、比較する他社製品がないと比べようもないのが現状。

なので今回は、人気メーカー「サーモス」「象印」「タイガー」「スタンレー」、4つのメーカーの温度を、室内・室外に置いて約1時間ごとに計測。それぞれの温度の変化を比べてみたぞ! 果たして 保温力に差はあるのか? そして外気は影響しないのか? 

・100℃の沸騰状態からの温度変化を計測

20151113030433_580px

【手順】
1.お鍋いっぱいのお湯を100℃まで沸かす。
20151113030658_580px

2.火は止めず、沸騰状態のままオタマで各水筒にお湯を注ぐ。
20151113031009_580px

3.注いですぐに温度を計り、蓋(フタ)をしっかり閉める。
4.1時間おきに温度を計測する。

・6時間計測し続けたところ

【室内】
IMG_1044_580px
『注いですぐ → 1時間後 → 2時間後 → 3時間後 → 4時間後 → 5時間後 → 6時間後』
・タイガー(青)
96.5℃ → 90.9℃ → 87.0℃ → 83.1℃ → 80.1℃ → 76.5℃ → 72.4℃
・サーモス(緑)
96.6℃ → 91.2℃ → 88.0℃ → 84.4℃ → 81.7℃ → 78.4℃ → 75.6℃
・象印(赤)
96.7℃ → 90.3℃ → 86.4℃ → 82.3℃ → 79.1℃ → 75.4℃ → 73.6℃
・スタンレー(黄)
94.6℃ → 90.3℃ → 87.0℃ → 84.2℃ → 81.8℃ → 78.6℃ → 76.2℃

パッと見の印象はサーモスが強い。しかし……! スタンレーが着々と差を詰め、4時間後からトップに踊り出る──という結果になった。そして、1時間後から5時間後までひたすら最低温度をマークしていた象印だが、最後の最後にタイガーが急落し最下位に。最終結果は、スタンレーサーモス象印タイガーの順。トップのスタンレーと最下位のタイガーの差は3.8℃だ。

【室外】
IあMG_1238_580px

『注いですぐ → 1時間後 → 2時間後 → 3時間後 → 4時間後 → 5時間後 → 6時間後』
・タイガー(青)
96.0℃ → 90.3℃ → 85.5℃ → 81.4℃ → 77.2℃ → 73.3℃ → 69.9℃
・サーモス(緑)
96.4℃ → 91.3℃ → 87.7℃ → 83.9℃ → 80.2℃ → 76.7℃ → 73.1℃
・象印(赤)
96.1℃ → 90.6℃ → 86.5℃ → 82.5℃ → 78.6℃ → 74.8℃ → 71.6℃
・スタンレー(黄)
93.5℃ → 87.3℃ → 84.2℃ → 81.0℃ → 78.1℃ → 74.9℃ → 72.2℃

温度の下がり方が一番緩やかなスタンレーが、3時間後あたりから巻き返し始め、最終的にはサーモススタンレー象印タイガーという順に。外の場合、サーモスが安定してトップ。一番高いサーモスと一番低いタイガーとの差は3.2℃となっている。

──なるほど、ここまではサーモスがかなり優秀な印象。温度変化の様子はわかったが……では続いて、室内と室外での差。すなわち、外気の影響は受けているのか? また、冷水の場合の温度変化はどうなのか? 結果は次ページ(その2)に どどんと掲載だ!

Report:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.