いくつもの人生がすれ違う「スナック」。仕事帰りにフラッと寄ったら、辛口ママにダメ出しをされたり、初対面のお客さんから慰められたりするのは日常茶飯事だ。スナックは大人の学び舎であり、疲れた心を癒すオアシスでもある。
今回紹介するスナックは、東京 西東京市の『スリーナイン』。夜な夜な「スコップ」を持った大人が集結するというスナックだ。怪しい香りは十分、店内で何が起こっているのか調査する必要があるだろう。早速 行ってきたのでレポートしたい。
・スコップ三味線
西武新宿駅から急行で20分、田無駅から歩いてすぐ、「楽しいお店、スコップ三味線」という看板が目印のスリーナイン。『スコップ三味線』という生まれて初めてのワードに戸惑いつつも、扉を開けてみると、オーナー兼スコップ三味線の師範だという小関さんが出迎えてくれた。
聞くところによると、スコップ三味線とは「スコップ」と「栓抜き」を使って津軽三味線のように演奏する宴会芸だという……。マジかよ、ギターとベースの違いもよくわからない楽器音痴の筆者ではあるが、三味線とスコップの違いくらいわかるぞ。不安がっていると、師範が「一曲お見せしましょう」とスコップを持って席を立ったのである。
・衝撃のパフォーマンス
師範は、スピーカーから大音量で流れる『津軽じょんがら節』に合わせて、黄金のスコップを乱打した。時に「ハッ!」と声を上げながら奏でる様子は完全にアーティスト。津軽三味線の叩きつける音とスコップを叩く音が見事にマッチしていて、演奏後にはスナック中から拍手と歓声が上がっていたのである。
以前に、「師範が花見でスコップ三味線を披露したら死ぬほど人が集まって大変だった」というエピソードも納得できる。師範が言うには、スコップをリズムに合わせて叩くだけなら誰でもできるが、本当に弾いているように見せるには努力や経験が必要だということ。ちなみに本物の三味線は弾けないらしい。
・世界大会もあり
なお、青森県では毎年スコップ三味線の世界大会も開催されているみたいで、参加資格は「老若男女、誰でもOK」だという。勝敗は「華麗なるスコップさばき」の他に「トーク」や「衣装」「客ウケ」などを総合的に評価して決めるそうで、過去の大会には、芸人の山崎邦正さんやロボットなども出場して場を盛り上げたみたいだ。
・超絶 気持ちいい
すっかりスコップ三味線の世界に圧倒された筆者だったが、「誰でもできますよ」という言葉に挑戦を決意し、気がつけば師範と女性店員さんとステージへ。スコップ業界では定番という長山洋子「じょんから女節」にチャレンジさせてもらった。
生まれて初めてのスコップ三味線は最高で、筆者は何も考えずに、体中からあふれ出る汗とアドレナリンを感じながら、ただ がむしゃらにスコップを叩いていた。演奏後には拍手や歓声でスナックが1つになり、初対面の人ともすぐに打ち解けられたのだ。本当に気持ちよかった。
今年も残りあとわずか。これからの忘年会シーズン、余興のアイデアが決まっていないという人に ぜひオススメしたい。スコップと栓抜きを用意するだけで、きっと宴会の主役になれるはずだ。
・スナックの詳細データ
店名 スリーナイン
住所 東京都西東京市田無町2-9-1山岡ビル地下1階
時間 19:00~翌2:00
休日 日曜日
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
▼下手でもいい、重要なのは楽しむ気持ちである!
▼スリーナイン入口
▼マスターの小関さん
▼師範の腕前は見事だった
▼プロ用のバチ
▼栓抜きやスプーンなどがバチになる
▼スコップ三味線に挑戦
▼メンバー全員が一つになった
▼最後にもう1度、動画をどうぞ!