日本に数多くある大仏の中から、代表的な3尊を選んだものが日本三大大仏と呼ばれる。そのうちの2尊は、歴史の教科書にも登場してくる「奈良の大仏」と「鎌倉の大仏」である。もう1尊に富山県の「高岡大仏」や岐阜県の「岐阜大仏」が日本三大大仏を自称しているが、いずれも地元以外ではほとんど認められていないというのが現状だ。
そこで今回はまだまだ知名度は低いが、地元以外の人にもぜひ知っていただきたい大仏を紹介する。奈良や鎌倉の大仏には及ばなくても、各地の大仏のほとんどが民の幸せを願い造られてきたのだ。「大仏は奈良と鎌倉だけじゃない」ということを、ぜひ知っていただきたい。
・その名は「名古屋大仏」
「三大」と認められるからには、知名度やサイズはもちろん、歴史的な由緒や風格も必要だろう。そういった意味では、今回ご紹介する「名古屋大仏」は1987年に造立されたので歴史的には浅いかもしれない。だがこの大仏、全身で鮮やかなグリーンを放っているため、雰囲気と威圧感は圧倒的である。とんでもないご利益がありそうだ。
・知名度が低い
しかしこの名古屋大仏、名古屋市内に存在しながらもその知名度は低い。なんと地元の人さえも知らないレベルなのだ。名古屋大仏がある桃厳寺(とうがんじ)に行くには、名古屋駅から地下鉄で約15分の本山駅で下車。そこから徒歩5分もすれば余裕で到着するのに、知名度は低いという。
市街地の中にありアクセスしやすいと思うが、お店やマンションが並ぶ通りからは見つけづらいため目立っていないのだ。何も知らずにこの大仏を見つけてしまうと、周囲とのギャップとインパクトで、一瞬、目の前で何が起こっているのかわからなくなるぞ。
・2006年に真緑色に変身
造立当時は、いわゆる大仏っぽい色であった名古屋大仏。2006年に緑色に塗られてから、ドラゴンボールのピッコロも逃げだすレベルの緑色が話題となり、今では珍スポットマニアの間では人気の観光地となった。マニアを引き付けるほど、名古屋大仏の圧倒的な存在感は本物ということである。
・あくまでも無言の対話をしてほしい
知る人ぞ知る観光地になってはいるが、あくまでも大仏様は見物の対象ではなく仏教信者が参詣するご尊像である。はしゃぎまわるのではなく節度ある参拝を心がけよう。こちらのお寺は大仏の他にも「日本一でかい木魚」や「ねむり弁天さま」も有名だぞ。気になった方は、ぜひ一度、このあまりにも鮮やかな緑色の「名古屋大仏」に足を運んでみてくれ!
・詳細データ
名称 名古屋大仏・桃巌寺
住所 愛知県名古屋市千種区四谷通2-16
時間 夏9:00~18:00冬9:00~19:00
Report:砂子間正貫
Photo : Rocketnews24
▼ドン! 目、耳、口は金箔、白毫(びゃくごう)は純金らしい。
▼おそらく大仏と同じサイズの手
▼全体像。台座を含めて高さは15メートルだ。