人は褒められると嬉しいものである。それは何歳になっても変わらない。子供ならもちろんのこと、大人になっても他人から褒められると悪い気はしない……というより、褒められてイヤな人間はいないだろう。
そして私事で大変恐縮だが、1カ月ほど前にふとしたことから褒められる経験をした。何があったのかというと、プロの漫画家が絵心を一切感じない私のイラストをこう評してくれたのだ。
「プロでは出せない味がある 正直、嫉妬さえおぼえている」
・褒められたことで苦手分野の克服に挑戦
そう言ったのは、当編集部長であり、プロ漫画家の顔も持つGO羽鳥。あまりにヒドいイラストだと自覚していた私は、褒められたのはネタだと思っていた。しかし彼は、いたって真面目。そして真剣に評価してくれたのがキッカケで、私はイラストに目覚めることになった。
もっとうまいイラストが描けるようになりたい。鍛錬を積めば、ヘタクソでもどうにかなるのではないか。そう思った私は、ある検証を始めた。ズバリ「絵心ない人が一日一イラストずつ描いていくとどこまでうまくなるのか」である。
・はじまりは本田圭佑選手
それから記事を書くことをそっちのけにして、イラストを描くこと1カ月。私は一日一善ならぬ一日一イラを継続し、どんなに時間がなくとも欠かすことなく描き続けてきた。すると……
最初に描いた本田圭佑選手では、ミンティアの圧倒的な存在感に頼る “姑息な手” を使わなければいけないほどヒドかったのが少しずつ改善。また、顔の構造を意識しながら描くテクニックを知ると、わずか1週間ながら自分でも成長を感じることができた。
・旬な人を描き続けた
とにかくイラストを描けば描くほど、不思議と感覚をつかめる日々。旬な人をメインに描いていったのだが、中でも「iPhone6s」の発売に合わせて描いたビッグウェーブさんはなかなかの出来だ。……と思う。
・好不調の波がハンパない
ただ、素人であるがゆえ、好不調の波が大いにあったのも事実。うまく描けたと思った次の日に駄作も描いた。もとからヘタクソが言うのも何だが、その日のコンディションでイラストも変化した。
それが先日結婚した福山雅治……いや、ふくよか雅治さんであればまだいい方。中には絶対に誰かわからないレベルの人物を描いたこともあった。しかし初期に比べると、そこはかとなく見られるイラストになったのではないかと勝手に思っている。
・継続は力なり
短い期間ながらも結論をいうと、ド素人で絵心ない人間だとしても成長することができた。たかが1カ月、されど1カ月。おそらくもっと才能のある人ならば、さらなる成長が見込めたに違いない。
もし苦手な分野があったとしても、諦めたら自らその道を閉ざすことになる。私はこれまで苦手だったイラストから、そのように学ぶことができた。継続は力なり。検証はこれで終わりだが、今後も時間を見つけてはイラストを描いていきたい。
参考リンク:Instagram @haradatakac
執筆・イラスト:原田たかし
▼平井堅さんと間違えられたメッシ選手
▼ケインコスギさんのようなダルビッシュ投手も描いた
▼レスリングの吉田沙保里選手
▼W杯中ということで五郎丸選手も描いた
▼ただ、どうしようもないイラストもいっぱい生まれた