もはやトイレは、安堵することができるひとつの場所である。臭い、汚いといったイメージは、今となっては昔のこと。肛門だけでなく、心にも優しいスペースへと時代は変わった。そしてその発展を支え続けてきたのは、なんといってもウォシュレットを生み出した TOTO であろう。
本日2015年8月28日、TOTOは2017年の100周年に向けて、創業の地・福岡県で水まわりの歴史を学べる「TOTOミュージアム」をグランドオープンした。そこでウォシュレットなしでは生きていけない筆者(私)は現場に急行! 実際に歴史を学んできたのでご報告したい。
・北九州市小倉北区の本社敷地内にオープン
TOTOミュージアムがあるのは、福岡県の北九州市小倉北区の本社敷地内。清潔感のある白を基調としたミュージアムが、出迎えてくれた。さっそく、見学を始めると、私は意外な歴史に驚かずにはいられなかった。なぜなら……
まずは歴史的価値を遺産として認定されている製品から見て回るのだが、TOTOが食器生産をしていたのだ。1970年に事業停止したとのことであったものの、これは意外と知らない人もいるだろう。
・水まわりの歴史
と、軽いジャブは置いといて、その後もTOTOがいかにして約一世紀を過ごしてきたのか。そしてTOTOの歴代社長の理念、ものづくりに対する情熱が紹介され、水まわりの歴史を学ぶことができる。時とともに変化してきたトイレが、空間をまるごと使って再現されているため、非常にわかりやすい。
その中でも私は、ウォシュレットがついている大便器に興味津々。下水道が整備されていない時代の古いものから、今では見かけなくなった “ボットン便所” などなど。環境にやさしい作り、技術の発達に感心せずにはいられなかった。おそらく年配の方は、より一層時の流れを感じることができるだろう。
・日本で初めて実用化されたユニットバスも展示
終始、トイレ好きにはたまらない空間だが、「ユニットバスルーム」も忘れてはいけない。現在、ホテルやワンルームマンションで当たり前のように使われているが、約50年の歴史を経て、進化し続けてきたことがわかる。
特に1964年の東京オリンピックを機に誕生した日本初のユニットバスルームは必見。ホテルニューオータニから移設したものが、そのまま一般公開されているので、ぜひ見学することをオススメしたい。
・いい勉強になること間違いなし
取材した初日当日は、平日ながらも大盛況。足を運ぶ見学者が絶えることはなかった。このTOTOミュージアムには、年間2万人の来館者が見込まれており、施設全体では8万5000人にものぼるという。
水まわりは私たちの生活と切っても切れない関係にある。いかにして技術が発展してきたのか。TOTOのあゆみ、ものづくりへの理念、100年の歴史と共に学んでみてはいかがだろう。いい勉強になるはずだ。
参考リンク:TOTOミュージアム
Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.
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▼やってきましたTOTOミュージアム
▼オシャレな空間だ
▼遺産として認定されている製品も展示されている
▼TOTOの歴史を知ろう
▼TOTOバイク!
▼半透明のトイレで部品も確認できる
▼歴代の社長たち。残した言葉もカッコイイ
▼何気なく使っているトイレだが、仕組みを知らない人は多いはず
▼時代を感じることができるぞ
▼男性の便器もさまざまな工夫が凝らされている
▼もちろんトイレだけではない
▼今では世界のTOTO。こちらは中国で発売されている製品
▼アジアオセアニア
▼ヨーロッパ
▼アメリカ。国で形が違うのもおもしろい
▼ウォシュレットの認定証! いつもありがとうございます!