すっかり猛暑に包まれた日本列島。夏のファッションといえば、やはりサンダル! こう暑いと、女性のみならず男性だって、通気性のよいサンダルを履くケースが増えることだろう。しかし……!
つま先を露出するサンダルには、思わぬ危険が潜んでいるので要注意だ。なぜなら私(筆者)は、かつてサンダルで階段を踏み外し、足の爪を傷めてしまったから。考えただけで恐ろしい出来事だが、注意喚起のためにも今日はあえて「爪が死んだらどうなるのか」についてお話ししたいと思う。
・階段を踏み外して……
もう10年近く前……、今のような時期のこと。私は『24-TWENTY FOUR-』を借りるべく、ウキウキとサンダルでTSUTAYAに向かった。そして2階へ向かったところ……! パスンっ‼︎ と、階段を一段踏み外してしまったのだ。
その瞬間──、太いゴムでバチン‼︎ と弾かれたような痛みが走り、ふと足元に目をやると……。親指の爪が、パックリと口を開けたハマグリのようになっていたのだ……! 『24-TWENTY FOUR-』どころではない事件がリアルタイムで発生してしまったのである。
・衝撃的な光景に気が遠くなる
その衝撃的な光景にショックを受け、血の気が引いた私。さらにこの先の病院での処置を思うと、恐怖のあまり「もう死んだほうがいいいんじゃないか……」と、しばし車の往来を眺めたり、後に救急車がきたり……。
と、色々あったが、長くなるのでここでは割愛する。そんなこんなで私の親指の爪は無(亡)くなってしまった。──さて。ここで、手でも足でも構わないので、ご自身の爪をご覧いただきたい。爪の付け根に、半月型の白いアーチがあると思う。ここ、なんていうか知ってる?
・爪の付け根の半月型の白いアーチ
ここ、『爪マトリックス』っていうんだよ! こういうと大抵の私の知人は半笑いで「ウソだ」と笑うが、以前タモリの情報バラエティ番組「トリビアの泉」でもそうだと言っていた。実際調べたところ、やはりここは『爪マトリックス』で間違いない。
またの名を『爪母基(そうぼき) 』と呼ぶここには、血管や神経、リンパ管などが通っており、爪はこの『爪マトリックス』から絶えず生み出され、上に押し上げられていくのだという──。
・爪がなくなった指は小さくしぼんで頼りない
爪という後ろ盾をなくした丸腰状態の左の親指は、右と比べると一回り……いや、ふた回り近く小さくしぼんでしまっており、ひどく頼りない……。爪によって、かなり横に広がり、かつ強度を保てていたことを実感する。
爪が剥がれてしまった直後は、ぶよぶよと生傷状態だった指の平面。だが、傷が乾いてくると、爪マトリックス部分がボコボコ……と、日に日に硬くなってきた! 皮膚が “爪化” しているのである。
・「地獄のミサワ」のような生まれたての爪
その “爪化” したボコボコのマトリックス部分は、じょじょに上に押し上げられていき、やがてボコボコ部分の表面積が広がってくる。そして半年もすると、そのボコボコ爪が親指の8割を占めるようになったのである。
しかし……、爪全体が元の爪に比べてかなり小ぶりである。右の通常の親指と並べてみると、指一面が爪に覆われている右に対し、左は指の中央部分に爪が集中している。どことなく、パーツが一極集中した顔が特徴の「地獄のミサワ」のような見た目になっている。指自体もまだ一回り小さい……。
・元に戻るまでに意外と時間がかかる
最終的に、大きさも形も元の爪と同じ程度まで戻るのに1年半から2年近くかかった。元に戻るまでに特に不便なことはなかったが、やはり剥がれた時はとても痛かった。しかも、爪マトリックスを損傷すると、爪は再生しなくなってしまうこともあるよう。つま先の露出時はくれぐれも注意してほしい。
執筆:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.
▼ちなみにこちらは2度目の死。強くぶつけてしまい、爪の根元がプカプカ浮いてしまっている……。
▼死んだ爪が剥がれると、下にはもう新生した爪がいた!
▼頼りなさを顔で表現してみた。
▼1ヶ月たつと、皮のように弱々しかった周りの爪がなくなり、小さーな爪になった。
▼爪じゃない部分までちょっと “盛り” 気味にネイルを塗って、元のサイズくらいに大きく見せようとしてみた。
▼うまくごまかせてるきがするが、数日で皮膚に塗った分はハゲる。