【本人降臨】海外『自殺防止ホットライン』の相談員が「仕事内容についてお答えします」と質問受け付け / その質疑応答39選がコチラだ!(その3)

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Q30:「死ぬ権利」についてどう思いますか?
A30:私は自殺を防ぐことを目的とした相談員です。だから、正直「死ぬ権利」についてはどうも思っていません。私の命題は、相手を自殺させないことだけです。

Q31:相談員の “ファン” になってしまう、常連さんっていますか?
A31:います。私の場合、1人の10代の少女と1人の高齢女性が “常連” としてよく電話をかけてきてくれます。でも相手と個人的な関係にならないように、気を付けなければなりません。依存関係などに発展してしまう可能性があるからです。

もちろん電話をかけてきてくれることを歓迎しながらも、他の相談員にも電話をかけるように相手に働きかけ続けます。

Q32:誰かから深刻な悩みをされたとき、落ち着いて対応する秘訣は?
A32:誰かから相談を受けても、相手はあなたに全ての解決策を求めているわけではないはずです。そのことを心に留めて下さい。「私も不安になることもあるよ。一緒に解決方法を探してみよう」と手を差し伸べるだけでも、大きな助けになります。

Q33:これまで、どれくらいの人を救ってきたと思いますか?
A33:まったく分かりません。個人的には、何人救ったか考えるよりも、関わってきた1つ1つの電話を大切にしたいと思っています。

Q34:これまでに相談を受けた中で、「これなら自殺したくなる気持ちも分かるな」と感じたことはありますか?
A34:ありません。もちろん、とてもツラく堪え難い経験をしてきた人もいました。でも、人生は刻一刻と変わっていきます。思いもしない方向に進んでいくことだってあります。私たちの仕事は、まず相手に生きてもらって、それからどう問題を解決するか考えることです。

今すぐに解決方法が見つからなくても、明日、1カ月後、1年後などにスルッと解決することだってあるはずです。

Q35:私も希望が持てずにいて、自分がいつか自殺してしまうのではないかと怖くなることがあります。どんなことがキッカケで、人々は自殺するんでしょうか?
A35:自殺願望を抱くほど気分が落ち込んでいる人には、なんだって自殺をするキッカケになり得ます。すぐに誰か、どこかの機関に相談して下さい。

Q36:気分がふさいでいます。でも就職など将来に響きそうで、なんだか助けを求められません。なにかアドバイスはありますか?
A36:精神的な病と考えるのではなく、肉体的な怪我・病と考えてみてはいかがでしょう? 例えばあなたの足が折れました。どうしますか? 治療もせずに、そのまま放っておきますか? 心臓発作が起こった場合、“いつか治るさ” と何もしないでおきますか? 

今必要な助けを求めなければ、それこそ将来働けなくなるかもしれません。心の病気に対して、理解のある職場も増えてきているはずです。

Q37:親友が「自殺を考えたことがある」と告白されて、ビックリしてしまいました。確かに彼は、時々落ち込むことがあります。彼とどう接すればいいでしょう?
A37:友達に直接「落ち込んでいるか」「自殺したい気持ちがあるか」聞いてみて下さい。もちろん気まずい空気にはなるでしょう。でも親友が死んでしまうことに比べたら、気まずい空気なんてどうってことありません。

もちろん「最近調子はどう?」と向こうの気分を探ることも大切ですが、かならず「自殺したくなることはある?」とズバリと聞いてください。それが肝心です。

Q38:相談員としてどのようなことを学びましたか?
A38:人によって、自殺するキッカケは違います。彼氏と別れた、車の鍵をなくしたなんて、他人から見たら些細(ささい)なことでも、自殺への一押しになり得るんです。だから他者の困難な状況を、軽んじたり、無視したりしないことを学びました。

また、人は想像以上に回復力が強いものです。とてもヒドい状況にいながら、心の病気と闘い続ける人々もいました。そんな彼らの姿勢も学びました。

Q39:電話を切るとき、人々はどんな反応を見せますか?
A39:色々な反応がありますね。たくさんの人に感謝されますし、たくさんの人に罵られます。相手がどんな人間なのか、また私が何を言ったのかによって、反応はそれぞれ違ってきます。

参照元:Reddit [1][2]Imgur(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:RocketNews24