私は一体、今どこにいるのか……?

きっと参加者の多くが、途中でそんな感想を抱くはずだ。

これまで一般向けには公開されていなかったサントリーの大阪工場 スピリッツ・リキュール工房が、5月8日から見学可能になるという。世界的に評価されているジャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉」やリキュール「KANADE〈奏〉」などを製造している工場だ。

これは、工場見学マニアとしては見逃せない話題である。

ということで今回は、メディア向けの先行ツアーに参加させていただき、ひと足先に体験してきたので、その様子をレポしていく。

・工場見学づくし

余談だが、訪問日は平日。

普段は夫が単身赴任でワンオペのため、遠方出張はなかなかハードルが高い。だが今回は、いろいろとタイミングが重なり、無事行けることに。

……これはもう、工場見学に呼ばれているのでは? うん、間違いない。

しかも早朝には別件でこれまた工場見学関連の仕事があり、なんとも工場見学づくしの一日。ありがたや~。

そんなテンションで新幹線に乗り込み、大阪へ向かった。


・ついに来た、サントリー大阪工場 スピリッツ・リキュール工房

弁天町駅から無料のシャトルバスに乗車。工場見学者向けの特別デザインで、この時点でワクワクが止まらない。

約20分ほどで、サントリー大阪工場に到着。


おぉ~~~!


正直、心斎橋のあの看板よりもテンションが上がっている自分がいた。完全に職業病である。


・65億円投資の本気

まずは、矢野大阪工場長やマーケティング本部の新関リキュール・スピリッツ部長のお話からスタート。

大阪工場は1919年に建設された、サントリーにとって重要な拠点。創業の地・大阪の築港エリアに位置し、1907年発売の赤玉ポートワインもここで製造されていたという。

さらに驚いたのが今回の設備投資の規模。「つくる」と「伝える」両面でなんと総額65億円を投資。そのうち約10億円が見学ツアーの展示や設備に使われているという。


10億円投資した見学ツアーって何?


規模感が大きすぎて、よくわからないが工場見学マニアとしてはむしろゾクゾクするポイントだ。そして、ここからは実際にサントリー大阪工場スピリッツ・リキュール工房ツアーを体験させていただくことに。


・やってみなはれ精神

見学ツアーは、ラウンジでの映像からスタート。

創業者・鳥井信治郎氏は13歳で奉公に出て、洋酒文化に触れ、日本人の味覚に合う洋酒をつくりたいと志したとのこと。13歳の自分、何してたっけ。プリクラとミスドの記憶が一番に思い浮かんだよ……。


映像を見た後は、スピリッツ・リキュール工房へと移動していく。

通路の脇には「ROKU〈六〉」に使われる植物が植えられており、通称 “ボタニカルロード” と呼ばれている。大島桜、柚子、ジュニパーベリーなど、原料と同品種の植物が並んでいるのが、なんかいい。

足元には、鳥井氏のことばも刻まれているので、見逃さずに注目していただきたい。

こういうさりげない演出、大好きである。


・蒸溜器が並ぶ圧巻の光景

工房1階には巨大な釜のフォトスポットが鎮座。

せっかくなので矢野工場長や新関部長と記念撮影。

ありがとうございます!(マニアとしては、工場長やツアー責任者と一緒に写真を撮れることは非常に嬉しいのです……)


さらに4階へ上がると、空気が一変し、洗練された展示空間が広がっていた。

柚子や玉露などのさまざまな原料素材が並び、見た目や香りなどで楽しめる設計。

ジンに使われるジュニパーベリーは試食もできる。

パネルの下には、その原料素材が使用されている商品の紹介も。


そして通路からは、実際に稼働している蒸溜設備がズラリ。

減圧蒸溜器、ジン・スチルなど4種類の蒸溜器が並ぶ光景は、製造工程ラインというよりも美術館のように美しい。

タイミングが合えば、パイロットディスティラリーでの小規模試作の様子も見ることができるらしい。見てみたいな~。


・非日常空間でのテイスティング

そして、ここからが、ツアー最大のお楽しみとも言える。

さきほど1階で見た巨大な釜、その内部に入ると……


完全に別世界。

360度スクリーンに囲まれた「クリエイションルーム」で「ROKU〈六〉」の原料酒テイスティングや、オリジナルカクテルづくりが体験できるのだ。

会員制バーか何かに来たのかと思うレベル。

テーブルにも映像が投影されていて、演出が細かい。用意されたおつまみも含め、五感すべてで楽しませてくれる。

……これはもう楽しいに決まっている。お土産として「ROKU〈六〉」の200mlボトルもいただける。


・気になる料金は?

ちなみにこの見学ツアーは、参加費は3000円(要予約・抽選制)。

最初は「ちょっと高い?」と思ったが、内容を体験すると印象が一変する。製造工程やこだわりを学ぶだけでなく、ブランドや世界観まで含めて体感する設計で「感じる工場」を実感した。

予約は公式サイトより、すでに受付を開始している。先着ではなく抽選制なので、気になる人は、忘れないうちに申し込んでおいたほうがよさそうだ。

洋酒好きはもちろん、工場見学好き、そして、ちょっと変わった大阪観光を探している人には、きっと刺さるはずだ。

・今回訪れた見学ツアーの詳細

施設名 サントリー大阪工場 スピリッツ・リキュール工房
住所 大阪府大阪市港区海岸通3丁目2-30
日時 2026年5月8日以降の木・金・土・日・祝日 10:00~ / 14:00~
約80分(製造工程見学+試飲)
参加費 お一人様 3000円(税込)
備考 20歳以上 ※20歳未満の同席は不可

参考リンク:サントリー大阪工場 公式HP
執筆:夏野ふとん
Photo:サントリー・RocketNews24.

▼世界的コンペでの受賞歴もある「ROKU〈六〉」

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▼4種の蒸溜釜を備えている大阪工場 スピリッツ・リキュール工房

▼ガイドさんの衣装は、どこかハリポタのような世界観で素敵。ネクタイには残渣染めが施されているらしい