「ごはんにシチューをかけるのは下品」、「ごはんにシチューは合わない!」など、“ごはんにシチューかけない派” から迫害を受けてきた “ごはんにシチューかける民” たち。
最近はマツコ・デラックスさんや有吉弘行さんたちもバラエティ番組『マツコ&有吉の怒り新党』でシチューとごはんは絶対に合わないと断言。ますますシチューかけるサイドの肩身は狭くなってきた。
だが、マツコさんや有吉さんも有名人とはいえ、料理に関しては素人。かけない派の筆頭だとしても、彼らの意見が絶対に正しいとは限らないのである。
・プロ中のプロに聞いてみた
この不毛な争いを終わらせるべく、かける民の筆者と佐藤記者で「誰からも反論できないレベルのプロ」に、ごはんにシチューは本当に合わないのか聞いてみることにした。
プロといっても固形シチューのメーカーの人では合わないなんて言うワケがないし、やはりココは洋食を極めた人物に聞くしかない。
――ということで今回協力を依頼したのは、レストラン「ロイヤルホスト」の統括料理長・西田光洋さん。全国チェーンの店を仕切るプロ中のプロの意見であれば、誰も文句は言えないはずである。
今回は「ロイヤルホストとは関係なく、西田さんの個人的な見解であれば」ということを前提に取材を許可していただいたのだが、プロの意見は以下のとおりであった。
「料理人としてはシチューをごはんにかけるのはあまり肯定できませんが、ご家庭でシチューとごはんを合わせる分には普通にアリだと思います。
ビーフシチューはよく白米と一緒に食べますが、こちらは日本で改良された洋食なので、ごはんと合うように作られているためですね。
ホワイトシチューはシチューと具だけで楽しめるように作られていますので、ごはんの量をビーフシチューやカレーライスと比べて少なめにするとより合うかもしれません。
また、ごはんそのままでは合わないという人はバターを合わせるなど繋ぎ役を作ると良いでしょう。ドリアにバターライスを使うような感じです」
結論としては「レストランで出す食事としてはシチューはパンと合わせることが多いが、家庭ではごはんと合わせることが多いと思う。そのため家庭ではOK。また、ごはんとホワイトシチューが合わないことはない」ということであった。
シチューかける民としてもレストランでホワイトシチューをライスにドバッとかけることはさすがにしないので、シチューとごはんは合うということだけプロに言ってもらえて大満足である。
・特別に作ってもらった
さらに今回は特別に、料理長にシーフードとチキンを使ったホワイトシチューをそれぞれ作っていただけることになった。ホタテやカニなどの贅沢な具材が入ったものと、チキンの他に栗などが入った野菜たっぷりのシチューはどちらも超ウマそうだ!
さっそくいただいてみたところ、コレがまた超絶美味! 料理長の近くにいる人でもなかなか食べた人が少ないという激レアシチューは、出汁を使い分けることで具材とクリームソースが見事にマッチした究極のクリームシチューであった。
ちなみに、こちらに白米を合わせてみたところ、確かに合っていた。が、固形ルーのクリームシチューと比べて非常に濃厚で本格的なため、かける派ではあるものの料理長の言う通り「そのまま食べたい」と思ってしまったのも事実。
そこで料理長がまた特別にバターライスを即興で作ってくれたのだが、こうするとクリームシチューの食感とライスの食感が近づいてよりマッチするようになった。一工夫でここまで違うとは……さすが全国チェーンのレストランの料理を統括するプロ中のプロの腕前だ。
もし家庭のホワイトシチューをごはんに合わないと断言する人がいたら、バターライスにしてあげると意識を変えてくれるかもしれない。特にマツコさんと有吉さんには、ぜひチャレンジしてみて欲しい。
とにかくシチューとごはんは絶対に合わないワケではないことが判明したので、これからシチューとごはんを一緒に食べることを否定する人に出会ったら、「プロが問題無いって言ってんだから素人はすっこんでろ!」とドヤ顔で言いつつ、シチューごはんを楽しもう。
Report:なかの
Photo:Rocketnews24.
▼西田料理長に作っていただいたシチューとバターライス どれもめちゃ美味いぞ!