私(佐藤)は島根県の出身であり、「島根県って砂丘のあるところだっけ?」と言われると、ムショーに頭に来てしまう訳だが、その砂丘がある鳥取県に驚きの珍味があることを発見したのでご紹介したい。
・らくだのコブって食えるの!?
その珍味とは、「らくだのコブ」だ。鳥取砂丘にはらくだがいて、乗ることも記念写真を撮ることも可能である。そのらくだのコブを食べさせるお店を見つけた! らくだって食えるのか!? ということで実際に食べてみた。
・境港は妖怪
鳥取県といえば有名なのだが、境港市の「水木しげるロード」である。巨匠水木しげる氏の出身地であることにあやかって、市をあげて妖怪で町おこしをしている。この通りには約150体の妖怪ブロンズ像が設置されており、妖怪一色で埋め尽くされているといって良いだろう。
・鳥取は砂場?
境港市は県の西端。一方東端の鳥取市では砂丘で町おこしを行っている。日本でも屈指の広さを持つ砂丘にちなんで、さまざまな施設を運営している。スターバックスコーヒーの出店が全県でもっとも遅れたことを逆手にとって「すなば珈琲」というのがオープン。
すでにスターバックスが出店を果たしたのだが、すなば珈琲は好調で3店舗目を県内にオープンする予定だ。やっぱスタバなくても良かったんじゃないのか?
・テンションの高い貼り紙
さて、そんな鳥取市でらくだのコブが食えることがわかった。そもそもらくだが食えるかどうか、私(佐藤)は知らなかったのだが。市内の「おしどり居食屋」の店前にはデカデカとらくだのコブと書かれいる。らくだだけでなく、カエルやカンガルー、ワニなど。いわゆる珍味を食わせるお店のようだ。ちなみに店前の貼り紙の文字が、なんだかテンション高め。結構無造作に貼られている様子から、何かただならぬ勢いを感じるのだが……。
・店主の元気な挨拶が気持ちいい
お店の扉を開けると、大変威勢のいい声で「いらっしゃいませーーーッ!」と熱烈歓迎。店はそう広くなく、カウンター5~6席に4名の座敷がひとつ。手狭な店に似つかわしくないほど、声の大きい店主が1人。この店主は気持ちの良い挨拶を心がけていらっしゃるようで、来客は「いらっしゃいませーーーッ!」と元気に迎え、帰る客は「おおきにッ!」と感謝をもって送っていた。言葉に気持ちを込めている様子が伺えて、非常に気持ちよかった。
・塊で出てくるかと思ったら……
本題のらくだのコブである。表の貼り紙には「砂丘ラクダのコブ」と書かれていたのだが、本当に砂丘のらくだかは不明。聞けば良かった。一体どんな代物なのか? 塊が出てくるのか? と思ったらガラスの小鉢に短冊に切られた白い物体が出てきた。見た目からはらくだを想像することができない。
・酢醤油や辛子味噌が合う
食べてみると、コレに良く似た食感の食べ物をすぐに思い出した。コレはクジラに似ている。クジラ肉の食感にそっくりだ。酢醤油につけて食べると結構あっさり。コブ自体が脂の塊らしく、そのまま食べると口のなかがモヤモヤとしてしまうのだが、酢醤油につけるとかなり食べ易くなる。辛子味噌でも美味しく頂けるかもしれない。
鳥取は魚介が大変豊富だ。長芋やらっきょなども特産品として知られている。ちょっと変わったものが食べてみたいという方には、らくだのコブがおすすめである。
・今回訪問した店舗の情報
店名 おしどり居食屋
住所 鳥取県鳥取市末広温泉町752丁目2番地
Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24
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▼「おしどり居食屋」、店舗の外にはハイテンションな貼り紙。この先に何が待ち構えているのか……
▼食の劇場……。お店は店主が1人で切り盛りしていた。この店主の挨拶がとても気持ちいい
▼こちらはカンガルーの生姜焼き
▼肉は結構固めで、馬肉にも似たたんぱくな味
▼そしてこれが、らくだのコブ。てっきり塊で出てくるかと思った
▼クジラ肉に似た食感。脂の塊、酢醤油であっさりと頂く