以前本サイトで取り上げたので覚えている人もいるかもしれないが、キューバは、50年前、60年前にアメリカで活躍していた車が今でも現役バリバリ走っているクラシックカー天国である。そんなキューバのクラシックカーに、私(筆者)は実際に乗ってみたので、写真とともにレポートしたい。
・ビビるほどカッコエエ!
「マジでこれに乗れるの?」——初めてクラシックカーのタクシーをつかまえ、それを間近で見たときには、そんな気持ちになってしまった。カッコエエ! 自分でつかまえたタクシーに、自分でビビってしまった。
もう少し車のフォルムを眺めていたい気持ちを抑えて、ゆっくりと助手席に乗り込む。ゴワっとしたシートの感触。シートベルトは付いていない。ドライバーもしていなかった。
後で知ったことだが、クラシックカーにはシートベルトが付いていないらしい。今まで乗ったことないから知らんかった!
・当然マニュアル
車が動き出すと、ブロロロロロンというエンジンの音が体にダイレクトに響いてくる。といっても、不快なほどブロンブロンしているワケではなく、どこか心地いいブロンブロンだ。
当然のごとくマニュアルで、錆びついたクラッチレバーがエンジンの振動でブルブルしている。目の前には、長方形の穴。何かの機器を引っこ抜いたのだろうか。「とりあえず動いたらOK。あとは見た目がカッコ良くて、音楽を聴ければ文句ないだろ!」そんなドライバーの声が聞こえてきそうだ。
・キューバ流タクシーの乗り方
ちなみにキューバには、クラシックカーのタクシー以外にも、フツーのタクシーも走っている。「値段は、クラシックカーの方がフツーのタクシーよりやや高め」—と、某有名ガイドブックには書いてあったが、個人的には「ドライバーとその後の交渉が全て」といった印象を受けた。
というのも、キューバのタクシーにはメーターが付いていない。だから、タクシーに乗る前に、「○○に行きたいんだけど、いくらになる?」とドライバーに尋ねて、値段を交渉することになる。
そこでドライバーが比較的安い値段を提示してくれたり、もしくは交渉で値段を下げることができれば、クラシックカーのタクシーでも安く乗ることができる。
逆に、クソ高い価格を提示された挙げ句、交渉しても全く下げてくれず、おまけに別のタクシーと交渉しようにも他に選択肢がない……となると、当然ながら高くつく。そしてそれは、ごくフツーのタクシーでも運が悪けりゃ起こってしまう。
・出費をとことん抑えたい場合
なおキューバには、いちグループで利用するタクシーだけでなく、主にキューバ人が利用する乗り合いタクシーがある。それだと、ビビるくらい安いから、出費を抑えたい人にはおすすめだ。
それから、キューバのタクシー運転手には英語が通じない場合がほとんどなので、「クアント・クエスタ?(いくら?)」や数字など、簡単なスペイン語を覚えておくと何かと役立つぞ。
・事前に価格を決めておくことが重要
とにかく一番大事なのは、乗る前にドライバーと交渉して価格を決めておくこと。それを忘れると後々トラブルになる可能性があるので、キューバに行く予定があり、「クラシックカータクシーに乗りまくるぜ!」と思っている人は気をつけて欲しい。
Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
▼以下はまた別のクラシックタクシー