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日本の強さと美しさを象徴する “日本刀”。刀はアニメや漫画でよく目にするけれど、そこに隠された日本の精神性や文化はあまり知られていません。それならば、刀のプロに日本の刀についてとことん教えてもらいましょう!

ということで今回は、刀作りの達人・宮入法廣(みやいり のりひろ)さんにインタビュー取材をしてきました。職人に聞こう!

・最年少で新作名刀無鑑査認定、さらに伯父は人間国宝

宮入さんは1956年長野県坂城町に、刀匠・宮入清宗(きよむね)氏の長男として生まれました。宮入さんの家は江戸末期から続く刀鍛冶の名門であり、伯父の宮入行平(ゆきひら)氏は1963年に人間国宝に認定されています。そして宮入さんも刀鍛冶の道を選び、1995年12月には39歳という若さで新作名刀無鑑査の認定を受けました。この世界では、最年少での認定です。

そのあと宮入さんは高円宮家の3人の女王様の御護短刀、横綱朝青龍関の土俵入り太刀を制作するなど数々の輝かしい功績を残しています。そして2011年日本刀制作技術として、長野県無形文化財に指定され、その保持者として認定されたのです。

一体、刀の世界とはどんなものなのでしょうか? 以下が宮入さんのインタビュー内容です。

記者:なぜ刀鍛冶になろうと思ったのでしょうか?

宮入法廣さん(以下、職):基本的には好きだからでしょうね、それ以外に何もないですね。

記者:刀鍛冶の家に生まれて、他の職業に就こうと考えたことはなかったのですか?

職:それはありましたよ。やっぱり家が物作りの家で、他の焼き物も好きだったから、焼き物をやろうかなと一時期考えたことはあった。全国の窯元を一度周って、いろいろ見たこともあったんだけど、最終的には同じ物作りでも、焼き物だとゼロからのスタートでしょ。

刀は、家が刀を作っていたので、全くゼロじゃないんだよね。門前の小僧で、どうやって刀を作るかをある程度見ているから、他の人よりステップはいくつか上の段から出発できるんで、それでもいいかなって。それでも本当は、何でもよかったんだよね。

記者:物作りがすごく好きだったんですね。

職:性格的に、会社勤めは絶対にできないというのは、自分で分かってるんで。社会に馴染めない(笑)。

記者:そういうものなんですかね、芸術家というのは。

職:この世界、みんなそうだよ。みんなそれぞれ一匹狼だから。みんなたぶん社会に馴染めないと思うよ。
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記者:刀を作る上で、一番苦労されていることは何ですか?

職:すべてだね。一本の刀を仕上げるまでに必要な材料の調達や炭の加工とか、すべてが大変なんだよ。刀を作る人も少ないけど、炭を焼く人も少なくなってる。日本の伝統文化を支える他の分野の人間がどんどんいなくなってる。もう本当に危機的な状況。

例えば炭でいえば、以前僕は岩手県の方から炭をとってたの。岩手県も3.11大震災で窯が全部潰れて、炭が焼けなくなっちゃって。あと、後継者不足。それで炭の供給が途絶えて、一時期は本当に1人20俵~30俵の割り当てでしか買えなかった。仕事は炭がないと始まらないから、一時期大変だったんだよ。

だけど自分の人脈を辿って、地元で炭焼きの窯と炭を焼いてくれる人を探して、今はなんとかやってる。そういうところから全部やらないといけないから、今は大変な時代だと思う。作ること以外にそれに付随する燃料確保など、余計なことまで心配しないといけないから。

記者:刀鍛冶として食べていくには、すごく苦労するとお聞きしたのですが、本当ですか?

インタビューの続きは次ページ(その2)へ。

参照リンク: 宮入法廣(NORIHIRO MIYAIRI)
Report: 田代大一朗
Photo: RocketNews24.
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