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みなさんの中で、「イヌの糞を踏んだことなんてナイよ!」というラッキーな人はいるだろうか? 確かに、現在の日本はキレイな道が多いが、それでもイヌの糞は落ちているものだ。「イヌの糞の始末をして下さい」という看板だって、いたるところで見かけられる。

しかし、そんな「イヌの糞事情」は、海外ではより際どい方向に向かっているようだ。なぜなら現在、米シアトルでは、路上に残されたイヌの糞のDNAを採取して、飼い主を突き止めようとする人が増えているのである。 DNA検査するほど、事態は深刻なのだろうか……?

・シアトルでイヌの糞に我慢できな人が急増?

The Seattle Times によると、シアトルでは路上に残されたイヌの糞に業を煮やしては、イヌの糞から DNA を割り出すキット「PooPrints」を購入する住民が増加しているという。しかも、イヌの糞が落ちているのは、路上だけではない。

例えば、シアトル、エバレットのマンションの管理人を務めるエリン・アトキンソンさんは、「エレベーターの中、じゅうたんの敷かれた廊下、屋上までにも、イヌの糞が落ちているんですよ」と話している。それは……嫌だなあ。

・キットによって、イヌと飼い主が特定される

ということで人々は、この DNA採取キットを購入しているのだが、どうやって使うのだろうか? 先述のアトキンソンさんによると、まずマンションに住むイヌたちに協力してもらい、イヌたちの DNAサンプルを集めるのだ。この DNAサンプルは、「PooPrints」の研究所で保管される。

その後、マンション内でイヌの糞を発見したら、速やかにピックアップ。採取場所などのメモと共に糞の一部を研究所に送ると、DNA検査が行われて、どこのイヌから出たものか特定することができるのだ。そしてイヌの糞を残した飼い主には、罰金が請求されることになる。

・罰金を支払いたくない住民

そんな「イヌの糞対策」によって、なかには1週間で5回もイヌの糞を拾われ、500ドル(約6万円)もの罰金を支払った住民もいるのだとか。もちろん誰も罰金なんて支払いたくないものだから、結果、マンションでのイヌの糞は激減したということだ。もう、大成功ではないか!

「PooPrints」を販売する会社によると、今ではシアトル市内の26のマンションや集合住宅、地域などが、このキットを購入しており、範囲を全米に拡大すると、1000以上もの場所で使用されているという。

たかがイヌの糞、されどイヌの糞。嫌だなあという気持ちは、世界共通のようだ。もしもあなたが “イヌの糞を片付けない派” の人なら、住民が DNA検査を始める前に、心を入れ替えた方がよさそうだ。

参照元:The Seattle TimesPooPrints(英語)
執筆:小千谷サチ
Photo:Rocketnews24

▼糞の上手な採取方法が説明されている。