地方出身者は人生においてカルチャーショックを受けることがある。例えば上京した時に感じる人の多さ、電車の複雑さ、イントネーションの違いなどがそう。初めて都会に出ると、「おやおや、穏やかじゃないねぇ」と思いつつ、焦る自分を抑えきれないものだ。
そして私(筆者)も上京した際、カルチャーショックを受けたひとりである。今回は、その原因のひとつ……九州出身者が受けるカルチャーショック「ブラックモンブラン」について振り返りたいと思う。
・ブラックモンブランとは
そもそも「ブラックモンブランって何のこと?」と思う人も多いだろう。ブラックモンブランは、九州地方を中心に販売しているアイスクリームで、九州のちびっ子たちが食べるソウルフード。いわば「おふくろの味」といったところだ。
製造している竹下製菓が「ブラックモンブラン」を世に送り出して45年。バニラアイスをチョコレートで覆い、クッキーの粉末をまぶした味は、今でも愛され続けている。九州のアイスといえば、ブラックモンブラン。必ずそんな答えが返ってくるようなアイスである。……だがしかし!
・地域限定販売
九州のちびっ子たちの舌を虜(とりこ)にしているにもかかわらず、あろうことかブラックモンブランは全国区ではない。しかも、恐ろしいことに九州出身者は、大人になって外の世界を見るまで、そのことに気づかないことが多いのである。
だからこそカルチャーショックを確実に受けるのだが、九州出身者にとって「あるはずのブラックモンブランがない」ダメージは計り知れない。大抵、コンビニが引き金で、心にポッカリと穴が空き、人知れず辛い現実を受け入れることになる。
わかりやすく例えるならば、「ガリガリ君」が突如としてコンビニから消えてしまったような感覚といったところか。もちろん、これは言うまでもなく大事故。カルチャーショックを受けるのも無理はないということが、おわかりいただけるだろう。
・通販で入手可能
……とはいえ、現在は通販で入手することができる上、九州地区以外でも限定された店舗で、ブラックモンブランを購入することができる。関東ではサミット、大学生協で、関西では一部のセブンイレブン、大学生協で販売している。
手を伸ばせば届くため、以前よりブラックモンブランでカルチャーショックを受ける人は減っていると思われる。少し寂しい感じもするが、それも時代の流れ。ブラックモンブランには、九州出身者の「通り門」でいて欲しいが、そうでなくなる日もいつかくるのかもしれない。
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
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