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“偽物天国” と言えば、中国を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、今回の舞台はイタリアだ。しかもしかも! サーカスの花形動物が “偽物” だったというのだから、これまた興味深い。

とあるサーカスで、一緒に写真が撮れると人気を集めていたパンダが、実は犬のチャウチャウだったというのだ! 確かにモコモコわんこのチャウチャウだが、そんなにパンダに似ていたっけ?

・サーカスの人気者 “パンダ” が実はチャウチャウ

イタリアの移動サーカス『Orfei』。そこには人気者の2頭の “パンダ” がいて、観客を楽しませてきた。ところがその “パンダ” の正体は、実は犬のチャウチャウだったのである。

チャウチャウとパンダ……一体どこが似ていたのだろうとチョット考え込んでしまうが、写真を見てみると、丸い耳にモコモコの毛、黒いお耳に白いお顔。目の周りは黒くないけれど、言われてみればパンダに見えなくもない……。しかし、このサーカスでは白いモコモコのチャウチャウたちが、部分的に黒く染められてこんな姿になっていたのである。

・プロの目は欺けなかった

今回の偽装が発覚したのは、サーカスがブレシアを訪れたときのこと。そこで動物愛護団体がサーカスでの動物虐待に関する覆面調査を実施し、この “パンダ” を発見したのだった。

「パンダと一緒に写真が撮れる!」というアトラクションで、 “パンダ” の姿を見た動物愛護団体スタッフ。すぐに「こりゃあパンダではなく、黒く塗られたチャウチャウの子犬たちだ!」と見破ったということだ。

・カメラのフラッシュにさらされすぎて目を痛めた “パンダ” たち

その後、警察がその2匹の “偽パンダ” であるチャウチャウを調べてみたところ、2匹のEUのペットパスポートが偽装されていることが発覚。しかも、カメラのフラッシュにさらされ続けたことから、犬たちの目は傷つき、ずっと涙がたまっている状態だったという。

それ以外の健康状態は良好であることから、犬たちはそのままサーカスに留まることになっている。もちろん “パンダ” として働くことももうない。しかし警察は、詐欺と動物虐待の疑いでサーカスの調査を続けるということだ。

・サーカス側「パンダだとは言っていない」と否定

サーカス側は「この2匹のチャウチャウを “パンダ” だと紹介したことはない」と話しており、メディア IB Times UK のインタビューに対しても「あの2匹は、どう考えても犬です」と答えるなど、自分たちが動物偽装を行ったことを真っ向から否定している。

かつて当サイトで、中国でライオンとして展示されていた犬を紹介したことがあるが、今回はイタリアで動物偽装事件が起こった。これらはきっと氷山の一角であり、世界にはまだまだ偽動物があふれているのかもしれない。しかし、偽物だろうが何だろうが、その動物が幸せな状態にいるかどうかが一番気がかりである。

参照元:International Business Times(英語)
執筆:小千谷サチ

▼一緒に写真を撮った人々は本当に “パンダ” だと信じていたのだろうか?