「エヴァ」といえば、いわずと知れた日本が誇るSFアニメーションの最高峰であり、最新作『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』の完成・公開が広く心待ちにされている大人気作品だ。

そんなエヴァに関して、先日2014年12月19日、最新作「シン・エヴァ」への関連を匂わせる短編動画が、とあるサイト上にて公開されたとのニュースがファンを賑わせた。──ん? 公式の新作発表ではないの?  詳しくはこういうことだった。

・「日本アニメ(ーター)見本市」というサイトとそのコンセプト

先日公開された動画の正体は、「日本アニメ(ーター)見本市」というサイト上にて公開された、『until You come to me.』というタイトルの短編アニメーション。このサイトは、エヴァを制作するスタジオカラーと、ニコニコ動画やニコニコ生放送などでおなじみのドワンゴが共同で運営しているサイトである。

このサイトは、今後の映像制作のさらなる発展を促進することを目的に、その最先端に在る上記2社によって設立されたようだ。サイトの紹介文を読んでみると、「ジャンルを問わず愛と勢いで創りきる」と書いてある。かなり情熱的なサイトだ!

・庵野監督らが愛と勢いで創り出したパッションな作品だった

つまり、今回公開された映像を、サイトの紹介文を引用して説明するとこうである。「映像制作のさらなる飛躍のために、庵野監督をはじめとしたクリエーターが、愛と勢いで創り出した短編アニメーション」というわけだ! う~ん、パッション‼ 

・気になる映像の内容は

なお、このアニメーションは映像と音楽のみで構成されている。音楽を手掛けるのはもちろん、鷺巣 詩郎(さぎす しろう)氏。映像の内容はというと……全体的にサードインパクト後を彷彿とする背景。

とくに私(筆者)が気になったのは、まったく新しく目にする描写と、どことなく旧劇場版『Air/まごころを、君に』を思い起こさせるような描写が、あえて新旧交互に織り交ぜられている点。こうすることで、旧作と新劇場版の違いをわかりやすく浮き彫りにさせているような印象を受けた。
sinkyu

・冬の描写……?

加えて印象的だったのは、映像全体を通してずっと雪のようなものが舞っている点。そして、毛布に身を包むシンジ。……!?  エヴァといえば背景にセミの声。旧作のエヴァの世界においては、セカンドインパクトによって地軸が傾き常夏になってしまったハズ……! これは何やら気になるポイントだ。
yuki

・最後のシーンは「ループ説」を示唆?

そして、動画の最後のシーンでは、白いハトが上空に舞い、瞬きする赤い瞳……シンジとレイの目が合う第一話の有名なシーン。前作「Q」のプラグスーツ姿のシンジの瞳の先に、赤い瞳のレイの姿が。そして映像は終わる──。荒廃した世界で、再び物語の冒頭のシーンに戻る。これはまさに、「エヴァは繰り返しの物語」というループ説を示唆しているのだろうか?
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・加えてタイトル『until You come to me.』の「me」が気になる

1作目「序」のサブタイトルが『YOU ARE(NOT)ALONE.』。2作目「破」は『YOU CAN(NOT)ADVANCE.』。3作目「Q」が『YOU CAN(NOT)REDO.』──そして今回の短編は『until You come to me』。動画の新作への関連はわからないが、はじめて『me』が出てきた! この『You』と『me』は誰を指しているのだろう……。
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・新作との関連性

映像を見る限り、やはり内容を推測できるものではなかったが、新作との関連性は、大いにありそう! このわずかな情報から想像は膨らむばかりだが……しかし。意味深な情報を与えておいて、本篇でアッと我々の「読み」をひっくり返すのが、我らが庵野監督である。エヴァは、我々の想像が及ぶ作品であっては意味がないのだ……‼

・「待ち」も作品のうち

いずれにしても、このような新しい映像の公開は嬉しい。新作への期待は高まるばかりだが、一方でエヴァ愛好家にとって、もはや「待ち」は基本スタイルでもある。エヴァにおいては、公開されるまで待つのも作品のうちなのだ。

・これが最後のジラシかもしれない

宮崎駿監督作品『風立ちぬ』でまさかの声優デビューまで果たしてしまい、「ちょっとー! ちょっとちょっとエヴァはよー‼」と、なにかとファンをジラす庵野監督だが、しかし新劇場版シリーズも、次の作品で完結……する予定。こんなふうにワクワク・ヤキモキできるのも、あと数年かもしれない。こう思えばなんとか待てるだろうか。とにかく新作公開が楽しみである。

参照元:日本アニメ(ーター)見本市
執筆:DEBUNEKO
Photo:RocketNews24.