ロケットニュース24

【実録】死闘74分! 今度こそマジのマジで念願だった「LINE乗っ取り」と戦えた!! ジラしにジラして寝技に持ち込み相手はブチギレ爆発TKO

2014年9月18日

hori1

これまで「LINE乗っ取り」との遭遇は二度あった。一度目は単なる “LINE乗っ取りのフリをした同僚” で、二度目は “戦おうと思ったら屍(しかばね)” だった。その度に、私は「なぜ戦えないのか」と涙していた。

しかし最後の涙から三日後、「三度目の正直」ともいうべき奇跡のメッセージがLINEに届く。そして私は……戦った。LINE乗っ取り用に考案した究極奥義『JIRASHI(じらし)』も、フルパワーで火を吹いた! お互いの意地と意地がぶつかりあった死闘激闘74分、あますことなく伝えたい!!

・漫画家ホリユウスケからのメッセージ

2014年9月15日の夕方ごろ、LINEのアイコンに未読(1)の数字が表示されていることに気がついた。iPhone6の行列に並び始めた佐藤記者からのSOSかな? もしそうだとしたら無視しよう……と思っていたら、相手は漫画家友達のホリユウスケだった。

どうしたホリさん? 最近、月刊少年チャンピオンで『シャッフル学園』を絶賛連載中なんだってなホリさん。売れっ子じゃないかホリさん。がんばれよホリさん! ……と軽く嫉妬しながらメッセージを開くと、そこには

ホリ「近くのコンビニでitunesのポイントカードを買ってくれる?」

と書いてある。なんなんだ、そのエラそうな態度は。俺とホリさんの間には、上も下もないはずだろ! そんな おつかい、アシスタントに行かせろバッキャロー……と思いつつ、とりあえず「いいよ」と冷たく返事した。

・もう二度と涙は流したくない

この時点では、まだ私は「本物のLINE乗っ取り」なのかどうかを疑っていた。なにせ相手は漫画家だ。シリアスな作品はもちろん、ギャグ漫画だって描けてしまう変幻自在のホリユウスケだ。漫画のネタのために調査している……という可能性もある。

──と思っていたら2分後に、少し怪しい日本語ながら「買ってもらいませんか」と、態度をあらためて再度お願いしてきたホリユウスケ。……ん? マジか? マジなのかこれは? そして彼のTwitterを見てみると……

ホリユウスケ「LINEのっとられてしまいました。すんません。」

と、つぶやいている! しかも彼のタイムラインを確認すると、まだ乗っ取り問題は解決していない! いわば絶賛乗っ取られ中! ついに来たぞ、大きな波が……! ずっと待っていた、この波を……!! 乗るしかない、このビッグウェーブに!!


その後、ブルブルと武者震いをしながら「すぐコンビニ行ってきます!」とLINE乗っ取り犯に返事すると、間髪入れずに「10000ポイントの3枚。」とレスが来た! レスポンス良し! 感度良好! 熱烈歓迎炒飯美味!! 好(ハオ)! 好ッ(ハオッ)!!

すべてを悟った私は、Twitterで「あとのことはおれにまかせろ。」とホリ氏に伝えてからズボンを脱いだ。時刻は18時22分。漫画家ホリユウスケのLINEを乗っ取った「ニセホリ」との完全決着戦、今ここにゴングである! 序盤の攻防は次ページ(その2)へ!!

参考リンク:Twitter @holico_studio__
Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.


【実録】死闘74分! 今度こそマジのマジで念願だった「LINE乗っ取り」と戦えた!! ジラしにジラして寝技に持ち込み相手はブチギレ爆発TKO(その2)

ニセホリには「すぐコンビニ行ってきます!」と伝えてみたが、すでに1万円分のiTunesカードは持っている。つい先日の「戦おうと思ったら屍(しかばね)だった事件」のとき、ダッシュでコンビニに駆け込み購入したカードである。

しかし、リアリティを演出するため、しばしの時間を置いてから「買ってきました!」と返事してみた。するとニセホリは「買ったら番号を写真で送ってくれる。」と……これまたエラそうな口調で言ってきた。

怒りをおさえて「写真ですね! わかりました!」と低姿勢に返事するも、今度は「はいよ。」と返してきた。人にお願いしておいて「はいよ。」とは……「はい」ならまだしも、「よ。」が余計だ! お前の日本語教師つれてこい!! 

・ついに JIRASHI 始動

こうなったら、もうやるしかないだろう。出すしかないだろう、ビッグウェーブを! 披露するしかないだろう、伝家の宝刀『JIRASHI(じらし)』の第一弾を……!! ということで、私は挨拶代わりの軽いジャブを、まずは10発打ち込んでみた。

送信している最中なのに、ダダダダダッ……と写真の横に「既読」が付き始めた。つまり、ニセホリは私の連続写真を確認しているのだ。いいぞ、いいぞ……すべてのパンチがヒットしているぞ……! さらに続けてもう10発!!

──そう! 『JIRASHI』とは、読んで字の如く “ジラす” ことを意味しており、第一段階では「単なるバカ」を演じるのが基本となる。まずは満面の笑みで「買ってきたよー!」と報告し、敵意がないことをアピールするのだ。

さらに、相手は日本語が達者ではない。複雑な日本語を伝えても、きっと奴は理解できない。もっとも、私も中国語は得意ではない。ならば体全身を使っての、顔芸(かおげい)込みのスーパー・ボディー・ランゲージしか道はない!

しかもだ。相手が求めているのは iTunesカードに記載されている「番号」であるが、相手は私のアホ写真の中に「もしかしたら番号が写っているのかも……」と考え始め、 “見たくもないGO羽鳥のステテコ姿” を凝視せざるを得ないのだ!!

究極にして言語不要、史上最悪の視覚的拷問、それがLINE乗っ取り用の最終奥義『JIRASHI(じらし)』なのであるッ!! ……と、ひとりブツブツ言いながら盛り上がっていたら、ニセホリは予想外の1手を返してきた。

iTunesカードの番号写真ではない。なんと……私のパンチを全て受け止め、まさかのクロスカウンターを放ってきたのである! ニセホリが繰り出した『掟破りの逆JIRASHI(おきてやぶりのぎゃくじらし)』、怒涛の反撃は次ページ(その3)で!!

Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.


【実録】死闘74分! 今度こそマジのマジで念願だった「LINE乗っ取り」と戦えた!! ジラしにジラして寝技に持ち込み相手はブチギレ爆発TKO(その3)

なんとニセホリは……なぜか私の写真を送ってきたのだ。何を意味しているのかは不明だが、とにかくニセホリは “私が送ったステテコ写真をスマホなりPCなりに一度保存してから、何かを伝えるために送り返してきた” のである!

しっかりと見ているうえに保存までしてくれている、懐の深いニセホリユウスケ。その後、2回も「開けてください。」と言ってくるあたり、心なしかイライラしているようなオーラも感じるが、もう少し JIRA せたほうがよさそうだ。

まだまだ JIRASHI が足りていない。ニセホリが発する怒りのパワーが、まだイマイチ感じられない。彼の魅力を最大限に引き出すまで、あと少しだけ JIRA せてみよう。ということで、いよいよ iTunesカードご開帳となるわけだが……

そう簡単に銀色シールの中身を開帳するわけにはいかない。ゆっくりと……ゆっくりと……剥がしながら……。ニセホリのドキドキが聞こえてくるくらいの強烈なタメをつくってから……少し間を置いてからの〜〜〜〜〜

私の顔面3連発! と、ここでニセホリが謎の日本語で怒り始めた。「私はあなたが私を見ないで人をカードですね。私は急用」というのは、おそらくきっと「お前の顔写真はいらないから早く番号を送ってこい」という意味であろう。

ならばとばかりに、今度こそマジメに銀色シールを剥がしてみる。番号がギリギリ見えるか見えないかという絶妙の角度でカードを接写し、「剥がしましたよ!」と宣言してからの〜〜〜〜〜

「ちゃんと番号を写そうとしているんだけどカメラアングルが絶望的で数字がよく見えない戦法」にシフトした。この直後、ニセホリはハッキリと「怒る」と意思表示。いよいよ試合が白熱してきた。戦いがスイングしてきたぞ!

ここからは、もう乱打戦。私は「どうにしかして番号を写したいんだけど、アホすぎて上手に写せない男モード」で全力ファイト。ニセホリからは「アホ」の言葉や「怒りで燃えるクマちゃんのスタンプ」が送られてくる!!

……最高だ! 来い! ニセホリぃッ!! 打ってこい! 心と心が通じてるよ! スッゲーいい戦いになってるよーッ!! ……と思ったら、5分ほど反応がない。もう相手の気力も限界か。そろそろ……フィニッシュに持っていくか!!

狙うは寝技を使ってのギブアップ。日本のサムライの恐ろしさを……体感しろ!! そんじゃいくぞーーーーーッ! 最後の大技『ベッド・イン』!! 国籍不明のニセホリよ、悪夢を見てから安らかに眠れ! 感動の結末は、最終ページ(その4)へレッツゴーだ!!

Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.


【実録】死闘74分! 今度こそマジのマジで念願だった「LINE乗っ取り」と戦えた!! ジラしにジラして寝技に持ち込み相手はブチギレ爆発TKO(その4)

もしも番号が見たければ、俺のマクラに入って来い! その覚悟はできているのかニセホリよ!! やれんのか。やるのかやらないのか!? どっちなんだ! そんな思いを込めた大技が、最後のキメ技『ベッド・イン』である。

よ〜く目を凝らせば、番号が見えるぞ……。欲しいんだろ……? もっと近づいて……もっと……!! と、ここでニセホリは「燃えるクマちゃん」で怒りの反応。返す刀で、よりマジな表情でベッドに誘うGO羽鳥。どう出るニセホリッ!?

すると……その直後、ニセホリは「燃えるクマちゃん」を連発で送ってきた! 止まらない! 止まらない! 燃えるクマちゃん9連発!! この怒りは本物だ! それと同時に悲しみさえも漂ってくる。落ち着けニセホリ!!

ということで、私は「ちょっとまって!」とストッピング。一呼吸置いてから、しっかりと iTunesカードの番号が書かれている面をアップで写して送ってあげた……ように見せかけて〜〜〜〜〜

「ライトに近すぎて文字が白飛びしちゃってて見えないよ戦法」で、再び立ち技にシフトした。まだまだやるぞ。俺とお前なら、まだできる! 来い、来い……ッ!! しかし、ニセホリの「既読」は、この白飛び写真が最後だった。時刻は19時23分。

そして13分後の19時36分、ニセホリは退出した。乗っ取られたホリユウスケのLINE IDから、乗っ取り犯が逃げ出したのだ。ゴングが鳴ってから74分、フィニッシュホールドは「白飛び」で、ニセホリはリング逃亡のTKO(テクニカルノックアウト)。こうしてLINEを舞台にした私の戦いは完結した。いい試合だった。謝謝ニセホリ、またいつかどこかで……戦おう。<完>

Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥、乗っ取り被害者・ホリユウスケ
Photo:RocketNews24.
こちらもどうぞ → 『GO羽鳥の【実録】迷惑メールシリーズ
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

モバイルバージョンを終了