【コラム】すごい昔「オウム真理教ショップ」でマイルドに軟禁された(その2)
aum2

極限修行者音頭のカセットテープをリクエストしようとした私に対し、白サマナは絶妙のタイミングで、私の口から「カセッ……」あたりの言葉が出た瞬間、以下の言葉をかぶせてきた。

「最近は冷やかしでカセットテープを買いに来るヤツらが多すぎて困ってるんだよね。もうカセットテープは完売してる。なんなんだろうね、ああいうやつらは。いやになっちゃうよね……。ったくもう……ね。……ね?」

──しょええええ〜ッ!! その「ああいうやつら」が、まさに俺ッ……!! あなたの目の前にいる高校生が、まさしく冷やかしでカセットテープを買いに来ているのです! だが、こんな事実を白サマナに話したら即効ポアされる気もするので、私は……

「ですよねぇ〜。きっと興味本位で買ってるんでしょう。本当に困った人たちですよね(キリッ)」

と言い切った。身の危険を感じたので、思い切りウソをついてみた。だが、私のこの発言をきっかけに、白サマナの顔は「パァァ」と明るくなり、「こいつは仲間」的な感じになり、やたらと饒舌に他の商品を説明しまくってきたのである。

・ノリノリで機関誌をオススメしてくる白サマナ

特に白サマナが熱心にすすめてきたのは、オウムの機関誌『ヴァジラヤーナ・サッチャ』であった。パラパラとページをめくりながら、何がどうすごいのかを説明する白サマナ。「次の号は、もっとすごいんだよ!」と、ノリノリ状態の白サマナ。

──完全に帰るタイミングを失った。口の両端に泡をためながら、熱心に「陰謀論」などを説明してくれる白サマナのイキオイは、もう誰にも止められない。どうしよう……。作り笑顔で相づちをうつのも疲れてきた……と、その時! 奇跡が起こった。

・狭い部屋に新たな3人が加わった

いきなり重い入り口のドアが開き、ドカドカドカッ……と、新たな客が3人も入ってきたのだ。これで、どさくさにまぎれて、3人が「靴預かり」をするときに「んじゃ、そろそろ帰ります」つって靴を出してもらえれば自然な流れ! よし!

……と期待していたのだが、新たな3人は客ではなく私服姿の信者だった。狭い6畳の部屋に、信者5人と高校生が1人。前よりもヤバイ状態になってしまった気がする。しかも、白サマナは、私を私服信者3人に紹介し始めようとしている始末だ。

だが、ここで白サマナのテンションは少し落ち着いた。私へのセールストークよりも、私服信者3人との情報交換のほうに流れはシフトしていたのだ。いい流れ。だが、このまま「帰ります」と言ったら、「まてまてまて」となりそうな雰囲気だ。

ということで私は『ヴァジラヤーナ・サッチャ』の最新号を購入し、「また来ますね!」と笑顔であいさつ。そして、ふと玄関に目をやると、いつの間にか私のクツが戻っていた。隠されたのはクツだけど、神隠しにあったような気分になった。

Report:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

▼書いてある内容もイケイケ無敵モード
aum3
▼政治家もバッサリと「暗黒帝王」
aum4
▼デーブ・スペクターさんも、この書かれよう
aum5