
自分の部屋にテレビがなかった頃、あるいはあったとしても、この番組は家族で見ていた人が多かったのではないだろうか? 『スターものまね王座決定戦』だ。フジテレビ系列で放送されていた伝説のものまね番組である。
当時はまだ “ものまね芸人” のジャンルが確立されきっていなかった時代。彼らをテレビで見るには、年に1度か2度だけ放送されるその日を待つしかなかったのである。それは大袈裟にいえば、さながらオリンピックが始まる前のような高揚感であった。そんな「スターものまね王座決定戦あるある50」を今回はお届けしたい。
【スターものまね王座決定戦あるある50】
その01:「スターものまね王座決定戦」が放送される日は、家全体が異常にソワソワする。
その02:ビデオテープは重ね録りせずに新品を用意する。
その03:古い曲だと母親も一緒に歌いはじめて邪魔。
その04:でも知らない曲だと「お母さん知ってる?」と聞けてうれしかった。
その05:滅多に笑わない父がコロッケを見て、クスッと笑った瞬間がうれしかった。
その06:自分が生まれる前の曲は「スターものまね王座決定戦」で覚えた。
その07:原曲は聞いたこともないのに、なぜか歌える『想い出の渚』や『高校三年生』他、数々の昭和の名曲たち。
その08:コロッケの全てを面白く感じる。
その09:野口五郎本人の前で、ものまねをするコロッケを見てハラハラする。特にハラハラするのは鼻をほじって舐めたとき。
その10:でも浅田美代子本人の前で、歌の下手さを強調しながらものまねするコロッケを見ても、そこまでハラハラしない。
その11:コロッケが松山千春のものまねで『長い夜』を歌ったとき、サビ部分でパッカリ開くヅラを披露した瞬間は家が揺れるほど笑った。
その12:ちあきなおみは、コロッケを通じてしか知らない。
その13:家の中が静まり返った、まさかのコロッケ2回戦負けの衝撃。
その14:ご本人登場で、初めて美川憲一が出てきたときの衝撃。
その15:その際、驚愕しつつも怯まず自分の芸を貫くコロッケにますます夢中になる。
その16:コロッケが好きすぎて、千昌夫夫人の名前が「シェパード」ということすら知識としてストックされる。
その17:コロッケが好きすぎて、コロッケ単体のビデオ “コロッケ七変化” を、兄弟でお年玉を出し合い購入する。
その18:コロッケが好きすぎて、近所の大型スーパーまで営業に来たコロッケを観に行く。
その19:清水アキラのセロテープ芸を真似する。
その20:一番簡単なのは研ナオコ。難易度Sが春日八郎。
その21:清水アキラの下ネタが理解出来ず、それをそのまま口にして親に怒られる。
その22:清水アキラが出てくると、審査員の淡谷のり子が怒っていないか気になって仕方がない。
その23:案の定、下ネタで怒られている清水アキラを見て「まあまあ淡谷さん」とテレビの前でフォローする。
その24:ただ春日八郎のものまねで『お富さん』を歌った際、「死んだはずだよ淡谷さん」と歌ったときは「さすがにフォロー出来ないな」と思った。
その25:そんな淡谷のりこが初めて清水アキラを褒めたときは、こっちまで泣きそうになった。
その26:しかしその後、また下品なネタで勝負する清水アキラに、清々しささえ感じた。
その27:ビジーフォーの外国人ものまねが、似てるかどうかわからないモヤモヤ感。
その28:歌い始めてから観客の「ぉぉぉおおおお!!」というリアクションに「本当にわかってんのかよ!」とさらにモヤモヤが募る。
その29:そして結局はハゲネタで落とす芸風を、子供ながらに「ずるい!」と思っていた。
その30:そういった理由でビジーフォーはヒール的存在だったが、完全なヒールはグッチ裕三。どこか憎み切れないモト冬樹。
その31:子供心に感じていた栗田貫一の “優勝してもエースにはなれないんだろうな” 感。
その32:子供心に感じていた栗田貫一の “器用貧乏” 感。
その33:でも「もしもシリーズ」は大好きだった。
その34:栗田貫一がルパンの声優に決まったとき「あいつなら任せて大丈夫」と思えた。
その35:四天王時代の終わりを予感させた、岩本恭生の出現。
その36:岩本恭生が実力者と対戦するときに「布施明」を出して来たら「置きにいったな」と思う。ただ抜群の安定感なので、気持ちは理解出来た。
その37:自分の役割りをきっちりこなす2人の女職人、松居直美と松本明子。
その38:子供心に微かに感じた、篠塚満由美の幸の薄さ。
その39:一回戦敗退はほぼ決まっているのに、無理矢理出場させられるアイドル枠(CoCoなど)の見ていられない痛々しさ。
その40:「ピンクの電話」が勝ち上がったときのダークホース感。
その41:「ピンクの電話」が動物ものまねを初めて披露したときの「ようやく居場所を見つけたか」感。
その42:優勝は無理だとわかっているが「ピンクの電話」が勝つとヤンヤの喝采。
その43:ただし、コロッケだけには絶対に勝って欲しくない。
その44:針すなお先生のピリピリ感。
その45:針すなお先生が9点をつけただけプチサプライズ。それが10点なら、テレビの前も中も大騒ぎ。
その46:針すなお先生の似顔絵のクオリティにいちいち感心する。
その47:ただごく稀に「?」となるときがある。
その48:片耳ヘッドフォンスタイルの野口五郎がちょっとかっこよく見える。
その49:審査員で参加していた「おすぎとピーコ」はこの番組で初めて知った。
その50:本当に楽しかった。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
P.K.サンジュン
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