疲れた身体をときほぐす、至福の時間がマッサージだ。そして身体の歪みを矯正してくれるのが「整体」であるが、どちらもヨダレが出るほど気持ちよい。うっかりしていると白目になり、油断していると寝てしまう。それくらい気持ち良い!

だが、心身ともにリラックスをして、この幸せな時間を心の底から楽しみたい……と思っている最中に限って、なぜかオナラが出そうになるのだ。あれは一体なんなのか。

・屁が出ないための念入りな準備はしている

いちおう、マッサージが始まる前に必ずトイレには行くようにしている。体中のガスと共に、念のため「ミ」の方も出しておく。身体のガスメーターは Empty(エンプティ)であり、安心できるガス欠状態だ。

準備はOK。さあ、いざ至福の時間へ出発だ……と、ここまで準備しているにもかかわらず、走り出した10分後には、もう屁が出そうになるのだ。いつもそんなに屁は出ないのに、なぜかマッサージや整体のときに限って、屁こきモードになるのである。

・先生の攻めがパない

よく先生から「羽鳥さん、けっこうオシリがカタイですね。こってますね」と言われるが、こっているのではなく、こきそうになっているのである。必死にガマンしているのだ。全神経を肛門に集中させ、絶対に屁を突破させないよう、力の限り肛門をふりしぼり、「たのむ、いまは控えてくれ!」と神に祈り続けているのだ。

整体のときは、もっとヤバい。横向きに寝転ぶ私の脚を、先生が「いち、に、さーん」と折りたたんだり伸ばしたり、エア屈伸の補助みたいなことをしている。この「エア屈伸補助」の時が最もピンチな状況であり、もしも私が気を許したら「いち(ブ)、に(ブッ)、さーん(ブー)」と、合いの手ならぬ “合いの屁” が入ることになるだろう。

・終わりなき攻防

先生はよく「羽鳥さん、力を抜いて!」と言うが、抜けるか! 抜いてたまるか! 力を抜いたら肛門からは屁が抜かれるのだ。気まずい空気が漂うと同時に、そのまんま屁の香りも漂うのだ。もしも腹の調子が悪かったら、「いち(ピュ)、に(ビュッ)、さーん(モリモリモリ)」と、死にたくなるほどの展開になる可能性だってある。

なぜマッサージや整体を受けている最中に限ってオナラが出そうになるのか。神が与えた試練なのか。「至福の時間は永遠ではない」というメッセージなのであろうか。それとも、整体の先生が密かに “言葉責め” を仕掛けているのだろうか。その答えは、私の肛門だけが知っている。

執筆:GO羽鳥
GOさんのシリーズコラム『あれは一体なんなのか。
Photo:RocketNews24.