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東京・埼玉・千葉が接するゴールデン・トライアングル「足立区・北綾瀬」。ここに、日本中から集めたおかしな商品を、激安価格で叩き売る不思議なスーパーマーケットがあると聞いた。

「北綾瀬」は、終着駅なのに直通列車のない変な駅。となりの綾瀬駅から専用列車で「ひと駅」を移動。さらにバスに乗り換え住宅街を分け入った最果てに、目指すABS卸売りセンター本店を発見! 殺風景な錆臭い倉庫風の建物は、まんま昭和風情。照明は暗く、空気は淀み、商品はうっすら埃を被っていた……。

・カルト商品がアホみたいに安いよ!

変色したぬいぐるみ、賞味期限切れ寸前、もしくは切れた食材、駄菓子。謎のルートで仕入れたお中元ギフトのバラ売りコーナーなど、店内はワケあり商品だらけ。しかもその「ワケ」が超ややこしそうな逸品ばかり。

それでもなお、いつも大勢の客で賑わう理由は、何といってもその安さ。iPhoneケースは68円。ドリンクは38円からと、とにかく鬼のように安い。安すぎる! ちなみにABS卸売りセンターを経営しているのは、“68円ショップ、38円ドリンクでおなじみ” の(株)ゑびすや商店だ!

・もはや20万円の仏像にも無関心な近隣住人

ぎっしり並ぶ珍商品を指さしては奇声を上げ、笑い、写真を撮ったり裏返したり興奮しまくりの私。ところが、周りで黙々と買い物にいそしむ地元民は、そのへんの感覚がとっくに麻痺してしまったようだ。珍奇な掘り出し物の山に目もくれない。

客だけ見てるとまともなスーパー風だが、20万円の仏像をはじめ、小野田少尉も命を救われた巨大な岩塩の塊、小便小僧、欠けた灰皿からビーナス像まで──。まさにカオスという言葉がぴったり。

うそだと思ったらぜひ一度、ご自分の目でその魔界っぷりを確かめていただきたい。

Report : クーロン黒沢
Photo : Rocketnews24.

・今回ご紹介した店の詳細データ

店名 ゑびすや商店 ABS卸売りセンター
住所 東京都足立区辰沼2-11-1
時間 8:00〜19:00
休日 正月三が日のみ休業

▼0番線ホームから専用列車で北綾瀬へ!
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▼ワンマンだった!
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▼北綾瀬からバスに乗り換え。果てしなく遠い。
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▼不思議な公園が見えたら下車。
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▼ついた!
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▼安い! けど、考えこんでしまう商品がいっぱい
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▼これはちょっと……
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▼こ、これもちょっと……
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▼よれよれのピカチュウ発見
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▼もはやなんだかわからない。大量在庫。
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▼二階は小中学生立入禁止だ
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▼故・小野田少尉曰く、私たちは塩を魔法薬と呼んでいた。
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▼でかすぎる魔法薬が!
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▼三階はカオス
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▼一点ものも充実。
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▼ワンコに囲まれてなぜか仏像がひとつ。
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▼下町は懐が深い。そう思いました。
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