音楽をやっている人にとって、大好きなミュージシャンやバンドの曲をコピーするのは楽しみのひとつである。ただ、いくら聞いてもコードがわかんねえッ! なんて曲も存在する。だからこそ勉強にもなるのだが。
どう聞いてもわかんねえッ! コイツ天才かよッ!? という曲に遭遇してしまったときに、役立ちそうなiOSアプリをご紹介したい。カシオの「Chordana Viewer」はオーディオファイルを読み込むと自動でコードを解析し、コード譜を表示してくれるのである。これでいくら聞いてもわからないという、「耳コピ」地獄から解放されるかもしれないぞ~ッ!
・独自技術でコード抽出
このアプリは同社の「Chordana技術」を使って、オーディオファイルを解析している。音声波形の周波数成分や時間変化をもとに、楽曲のハーモニー・メロディ・リズムの各要素を解析してコードを抽出しているそうだ。
・約10秒で解析完了
使い方は簡単。起動すると「デモ曲、またはiTunesの曲を選択してください」と表示されるので、端末に入っている曲を選択する(iTunes in the Cloudの曲はダウンロードして使用)。すると、解析を行うかという質問が表示されるので、「はい」と答えて解析スタートである。約10秒程度で解析が完了し、コード譜が表示される。
・「コード表示域」と「演奏域」
メイン画面は上部の「コード表示域」と下部の「演奏域」にわかれている。コード表示域には、解析したコード譜が表示されており、楽曲を聞きながらコードを確認することが可能だ。演奏域は、ピアノ鍵盤・ギターパッド・ピアノパッドから音色を選択して、楽曲を聞きながら演奏することができる。ピアノ鍵盤はデフォルトで17鍵なのだが、12鍵もしくは24鍵に切り替えることもできる。また、追加音色を1つ100円で販売している。ちなみにMIDI IN/OUTを備えているので、追加音源を購入しなくても、外部音源を使用することもできる。
・妙なところはコード置き換え
実際のコード解析なのだが、結構精度は高い。ただ、連続するリフパターンは解析しきれていないのでは? と思う箇所がいくつかあった。そういう場合には、コードの編集を行うことができる。表示されているコードに近しい3つの候補のいずれかに置き換えるか、もしくは自分で入力することになる。使用する曲によって、うまく解析できるものとそうでないものがあるようだ。
・DRM保護音源は使えない
このほかにもキーやテンポの変更、拍子指定やABリピート、録音などが可能である。コードの解析もさることながら、演奏練習ツールとしても役立ちそうだ。なお、デジタル著作権管理で保護されている楽曲は使用することができない。したがって、管理された楽曲は結局耳コピするしかない訳である。どう聞いてもわかんねえッ! という曲はがんばって聞き取るしかなさそうだ……。
参考リンク: Chordana Viewer
執筆: 佐藤英典
Photo: Rocketnews24
▼「Chordana Viewer」を使ってみた(楽曲提供: アリスプロジェクト)
▼起動時の画面
▼最初の使用する楽曲を選択
▼すると、解析を行うかという質問が表示されるので「はい」
▼10秒程度で解析完了
▼メイン画面上部が「コード表示域」。下部が「演奏域」、ピアノ鍵盤・ギターパッド・ピアノパッドの3種用意されている
▼コード譜の全面表示
▼設定でテンポやキー、拍子などを調整できる。また、小節あたりのコード数も変更可。デフォルトは2コード
▼4コードに変更するとこうなる
▼コード一覧でフォームを確認
▼追加音色は1つ100円
▼コード解析だけでなく、演奏練習ツールとしても十分に使える