【実録】スマホの携帯メール宛に届いた「口座情報を教えてくれたら5分以内に6800万円振り込みます」に振込先を教えたらこうなった(その2)
本田と名乗る人物から「口座情報を教えてくれたら5分以内に6800万円振り込みます」というメールが届いたので、本当に自分の銀行口座情報を教えたところ、ほぼ同時タイミングで、本田からは以下の返事が届いた。正直、意味がよく分からないメールであるが、そのまま全文掲載する。
「『時は金なり』時.間って大事 なんです 。急いで.く ださい。6800.万の振込に関しまし ては10分以内で完了の予定です。
20 万 円分あれば こうした確認メールを送るのも難しくはありませんよね?むしろ20.万は多過ぎるくら.いかと思いま したがハトリさんへ.の感謝の意も.込めて手続きをしてお ります。
サイト.で 手続きをされこちらに確認のメールを頂いた後有効に使ってくださいね?」
──本田、お前は何を言っているんだ? 何の話をしているんだ? 20万円分って何だ? 分(ぶん)って何だ? というか「10分以内」って何? さっきは5分って言ってたじゃないか。ソバ屋の出前か。
しかも何だ、「サイト.」って何だ? どこのサイトだ? そんな話、出てきてないぞ? どうした本田。ボケたのか本田。壊れたのか本田! ……だが、私には分かる。本田の言わんとしていることが、なんとなく分かる。
つまるところ、本田の狙いは、以前の「800万円の優子」と同じく、怪しいサイトへの誘導だ。20万円分というのは、そのサイトで使える「ポイント」であろう。おそらく本田は、このメールのあと、怪しいサイトへの誘導メールを準備していたはずだ。「このサイトなら、安全に口座情報がやりとりできますよ」と。
だがしかし、本田は1発目のメールを送信したと同時に、私からはズバリの口座情報が送られてきた。まさかのノーガード戦法。ボクシングに例えるならば、偶然のタイミングでクロスカウンターが決まってしまった状態である。両者、「!?」な状態だ。
しばし、硬直状態。本田も私も、身動きがとれない。だが、10分ほどしてから、私は次の一手を放ってみた。一気に畳み掛ける5連発だ。
私「振り込みはまだですか?」
私「急いでください! 時は金なりですので。」
私「まだ振り込まれていません」
私「確認しましたがまだ振り込まれていません」
私「早急にお金が必用なので、はやく振り込みお願いします。」
──掟破りの「逆・時は金なり」メールである。どうした本田。早くしろ本田。もう5分どころか10分以上も経過しているぞ。私は口座番号を堂々と教えた。次はお前が6800万円を振り込む番だ! 私はジャパンネット銀行のネットバンキングを更新しまくり、今か今かと6800万円が振り込まれるのを待っているんだぞ!
……ところが、この後、本田は実に巧妙な……本来の作戦とはまったく違う、より犯罪チックな返事をしてきたのである! しかも、残高が6820万1090円の銀行口座の写メ付きで。まさかのラストは、次ページ(その3)へつづく!!