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最近、小型犬(チワワ)を飛行機に預けて、熱中症とみられる症状で死亡するという出来事が報じられた。飼い主は航空会社が提供するペットサービスを利用していたそうだが、地上の反射熱により熱中症になったとみられている。犬の中でもチワワは体重が2キロほどしかない超小型犬。小さな体にとって真夏の貨物室はとても過酷な環境だったようだ。

・規定は航空会社によって異なる
犬や猫を長距離移動する場合、大抵は飛行機に預けることになる。だが、その規定は航空会社によって大きく異なるのをご存じだろうか? ペットはすべて「貨物室」としている会社もあれば、小型犬は機内に持ち込みOKとする会社もある。そこで今回は、海外から日本に小型犬を持ち帰ったケースについてご紹介したいと思う。

・韓国から日本に犬を運ぶ
日本国内を移動する時は、主に全日空と日本航空の二社から選ぶことになる。しかし海外から日本、日本から海外となると、さまざまな航空会社から条件に合わせて選ぶことができる。今回は、韓国から日本に小型犬(ヨークシャーテリア)を運んだケースについてお伝えしたい。日本 − 韓国間は、全日空・日本航空・大韓航空・アシアナ・ユナイテッドが運航している。筆者はこれらの航空会社から比較・検討した。

・韓国系航空会社は機内持ち込みOK
どうやら全日空や日本航空をはじめとする日系航空会社は、ペット(犬、猫、うさぎ、鳥)はすべて「貨物室」と決めているようだ。一方、韓国系航空会社は、ペット(犬、猫、鳥)をケージに入れて総重量が5キロ以内であれば機内に持ち込むことができる。ただし、機内に持ち込む際もケージのサイズが細かく規定されているので、事前にチェックしておく必要がある。また、持ち込めるケージも1人ひとつまでと決められている。

・アシアナに決定
韓国から運ぶ犬はヨークシャーテリア(2キロ)だったので、機内に持ち込める韓国系航空会社を利用することにした。発着時間の関係でアシアナ航空にし、チケットの予約と同時にペットがいることを伝える。あとは、当日チケットカウンターで犬をケージに入れた状態で、「機内持ち込みの手荷物」として申請すればオッケー。意外と簡単だ。ちなみにこの時、犬は手荷物であるため、ケージに入れた重さが「犬の搭乗代」として追加でとられる。値段はうろ覚えだが、5000円以下だったと記憶している。

・アシアナはやさしかった
アシアナは窓側の席を用意してくれた。隣に座る人の邪魔にならないよう、犬が入ったケージを足元に置く。エコノミークラスの席なので、足元のスペースはほとんどなく窮屈だったが、それでも機内に持ち込めるだけありがたいことである。だが、機内に全員が座ったころで「あれ?」と気がついた。そう、誰も隣に座らないのである。座席は8割ほど埋まっており、満席ではなかったが、アシアナはわざわざ隣を空けてくれたのだ。これには本当にありがたかった。おそらくトラブル防止のために席を空けてくれたのだろう。おかげでスペースに余裕ができ、フライトを楽しみながら連れ帰ることができた。

・海外からペットを連れて帰るのはとても大変
ここからは、海外からペットを運ぶための事前準備についてお伝えしよう。海外から犬を連れて帰るためには、出国と入国の時にそれぞれ検閲検査を受けなければならない。検閲のために、とにかく多くの準備が必要だ。飛行機の搭乗なんぞ大した苦労ではないと思えるほど、事前準備が大変なのだ。

・韓国から犬を連れ帰るのに8カ月
まず犬にマイクロチップを埋め込み、到着日の40日前までに到着予定空港の動物検閲所に届け出を提出する。さらに狂犬病の発生がない「指定地域」以外から日本に連れ帰る場合は、狂犬病の検査後に、180日の係留期間を持たなければならない。狂犬病の検査自体にも時間がかかる。韓国は指定地域以外なので、手続きを初めてから実際に日本に連れ帰るまでにだいたい8カ月ほどかかった。

・機内持ち込みは安心
こうして苦労して連れ帰った犬は、現在日本で元気に暮らしている。個人的にはアシアナの持ち込みサービスはとても良かったので、また犬を乗せる機会があれば利用したいと思う。フライトの混雑具合によっては、隣の席を空けるということはないかもしれないが、持ち込めるだけ良い。手の届く範囲にいるので、今どんな状態なのか分かるので、飼い主としては安心だ。もし、海外から犬を連れ帰る時には、ぜひ参考にしてみてほしい。

Report:レイチェル