2013年7月24日の午前9時から、関東1都5県(東京、千葉、埼玉、茨城、群馬、栃木)の水源である利根川水系で10パーセントの取水制限が始まった。10パーセント取水制限をすると、われわれの生活にはどう影響するのだろう? 水道の水量や水圧が変化するのだろうか?
・10パーセントの取水制限
さっそく東京都水道局に聞いてみたところ、10パーセントの取水制限では、都民の生活にはほぼ影響が出ないという。シャワーが弱くなったりトイレが流れにくくなったりするなどの心配もしなくてよいそうだ。ただし、これは「都民」の場合の話である。
・なぜ都民の生活に影響が出ないのか
なぜ都民がただちに水に困らないのかというと、東京都は利根川水系以外にも荒川や多摩川などの水源があるからだ。取水制限で利根川水系からとる水の量を減らしても、ほかの水源からうまく融通して通常と変わらない量の水を各家庭に送るのだという。スゲーーッ! なお、千葉や埼玉など関東の他地域については管轄外なので回答できないとのことだった。
・「まったく影響はでない」とは言えない
ただ、取水制限が10パーセントから20パーセント、30パーセント……と上昇していくと都内でも「まったく影響はでない」とは言えないらしい。たとえば高台の地域では水がでにくくなることがあるそうだ。さらに渇水がすすむと、各家庭に送る水の量を減らす「給水制限」が実施され、一部断水が起こるなどの恐れがある。そんな事態を招かないためには、何より節水に努めることが一番とのこと。
・「取水制限」と「給水制限」の影響
取水制限 川からとる水の量を減らす → 水道から水が出にくくなることがある
給水制限 家庭に送る水の量を減らす → 水道から出る水の量が減ることがある
・取水制限の解除は「天気次第」
また、国土交通省関東地方整備局によると、取水制限がいつ解除されるかについては「天気次第」としか言えないのだそう。雨が降らないことには、利根川上流ダム群に十分に貯水できず取水制限が続くという。2013年は5月の降雨量が少なく、7月には予想より2週間も早く梅雨明けしたことが背景にあるとのことだった。
これから夏本番となり、何かと水を使う機会が増えるはず。そんなときだからこそ逆に、節水を心がけて余分な使用は控えるようにしたい。水の出しっぱなしなどには十分気をつけたいものだ。
参考リンク:Twitter @tocho_suido、国土交通省関東地方整備局
Photo:RocketNews24
▼7月24日午前9時から利根川水系で取水制限が始まった