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恋人に浮気をされた際に、絶対にやってはいけないことがあります。それは、正論を叩きつけること。「どうして正論を叩きつけちゃいけないの? だって悪いのは浮気をしたカレ(カノジョ)のほうだよ」と思うかもしれませんね。

確かに仰るとおりです。二人は正式交際をしているのですから、裏切り行為を犯した側が悪いのは火を見るより明らか。しかし、悲しいかな「正しい者が勝つとは限らない」のが恋愛です。

・飲食店にたとえると
具体例を挙げて考えてみましょう。腹を空かせた人の前に二軒のレストランがあります。一軒は、有機野菜などのヘルシーな食材を使い、一日の栄養バランスを考慮して献立を組んだ健康食レストラン。二軒目は、高カロリーな焼き肉屋。前者のほうが身体に良いことは百も承知ですが、腹を空かせた人が健康食レストランを選ぶとは限らないですよね。空腹時で食欲が満たされていない状態の時は、焼き肉屋を選ぶ確率が圧倒的に高いです。

・「求めてる状態」を理解する
浮気する人の胸の内も、上記と同じだと考えてください。恋人との付き合いがマンネリ気味で新しい刺激を求めギラギラしている時と、食欲が満たされておらず食べ物を求めている空腹時の共通点は、「求めている状態」であるということ。何かを強烈に求めている時は、清く正しいものよりも、刺激的なものに関心が行くものなのです。

・正論で罵られても心は動かない
浮気が発覚し、正論を振りかざして相手を罵っても、相手は「確かにあなたの言っていることは正しい」と思うでしょう。しかし正しいと思っても、心は惹かれないのです。そりゃそうですよね、鬼の形相で自分を罵る相手に魅力なんぞ感じるわけがありません。

・話し合おうはタブー
よって、「話し合おう」という姿勢はタブーです。カレ(カノジョ)側の心境を想像してみてください。こう考えるはずです、「話し合ったところで、悪いのは100パーセント自分」……。したがって、「一方的に責められるのは目に見えている」という結論に達します。「確実に自分が不利な話し合いなんて、参加したくないぜ!」と尻込みするのは当然のこと。

・浮気が本気に発展することも
それにもかかわらず、浮気相手まで罵ったり、話し合いの場に連れてこいとわめいたり、利害関係を伴う人物の場合は社会的制裁を加えたり……。それらの行為をやっちゃうと、カレ(カノジョ)の心はますます離れていきます。カレ(カノジョ)側は浮気相手に対して、「自分と関わったばっかりに面倒な目に遭わせて申し訳ない」という気持ちが沸き、それがいつしか本気の恋心に発展することだって考えられます。

恋人の浮気が発覚した時は、正論を叩きつけるのではなく、まず己を見つめ直し、反省すべき点は反省しましょう。そのうえで、新鮮なデートプランを提示したり、疎かになっていたスキンシップを復活させたり、自分を魅力的にみせるプレゼンをしましょう。正論を振りかざして相手を罵るのは、イメージ的には「引き算」なやり方です。「たし算」イメージの自分プレゼンのほうが、相手の心をなびかせるには効果的なはずですよ。

恋愛コラムニスト:菊池美佳子 Twitter / ブログ
イラスト:マミヤ狂四郎