安いものには裏がある。だが、ついつい安いものを買ってしまう。しかし、結果として後悔したりもする。俗にいう「安物買いの銭失い」になることはよくある話だが、たとえ銭失いにならなかったとしても、時間を失ったりすることもしばしばだ。
そう、たとえば100円ショップで売られているコップなどの食器に貼られている「バーコードが書かれたシール」である。うまいことキレイに剥がせないのだ。やたらと無駄に粘着力が強いのだ。あれは一体なんなのか。
・精神を集中させて丁寧に……
「こんなコップが100円で買えるなんて!」とウキウキしながら帰宅して、とりあえず一回洗っておくか……と梱包用の新聞紙をひろげると、裏面などにバーコードの書かれたシールが貼ってある。急いで剥がすと失敗する。余計にメンドくさいことになる。よって、精神を集中させて丁寧に……丁寧に、そろりそろりと剥がすわけだが……
・シールが「表」と「粘着面」でペリッと分離しやがる
失敗するのである。息を整え、息を止め、指をプルプル震わせながら、懐かしの「電流イライラ棒」のごとく、史上最強レベルの丁寧さで剥がしたのに、シールが「表」と「粘着面」でペリッと分離しやがるのである。ガラスに引っ付いているくせにだ! そこ、離れるなよ! いま仲間割れするなよ! である。
・粘着面「そう簡単に剥がれてなるものか」
一方、粘着面は「そう簡単に剥がれてなるものか」とばかりに、まるでTV番組『SASUKE(サスケ)』の「ローリングエスカルゴ」にしがみつくミスターSASUKE山田勝己のごとく、全身全霊の最強レベルで密着しているのである。剥がしても、傷跡ならぬ「剥がし跡」が残るのである。なんというド根性だろうか。
・スポンジでゴシゴシ
結果として、剥がし跡はスポンジやメラミンスポンジなどでゴシゴシと落とすことになる。100円でコップを手に入れることはできたが、剥がし作業をしてから、やっと使えるようになるのである。500円程度で売られているコップだったら、スルリとキレイに剥がれたかもしれない。無駄な時間は使わなかったかもしれない。
・「シール剥がし代込み」での100円
だが、ついつい100円の商品を買ってしまう。そして、シール剥がしに失敗したとき、いつも「なんでこんな質の悪いシール貼っておくんだよ!」と思うのだ。だが、100円なのだ。質が悪いから100円なのだ。“安物買いの時間失い” を招いたのは自分なのだ。もしかしたら、「シール剥がし代込み」での100円なのかもしれない。
執筆:GO
GOさんのシリーズコラム『あれは一体なんなのか。』
▼たのむから一思いに剥がれてくれ!