突然だが、みなさんは静岡県が誇る伝説のハンバーグレストラン『さわやか』をご存知だろうか?
静岡県西部の住民ほとんどがさわやかを崇拝する信者という説もあるほどウマいハンバーグを提供しているというので、さわやかに行き実際に食べてみたところ……
旧支配者の放つ宇宙的恐怖のような混沌とした恐るべき、いや神秘的と言うべきなのだろうか……食べているうちに『げんこつハンバーグ』に精神を寄生されている感覚がゾワゾワと、体のもっとも奥底から脳に達するなんとも奇妙な感覚を覚えたのである。
「ふう、うまかった。」と月並みな表現で食事を終えたものの、すでに私の心と体は正気ではなくなっていた。すでに『さわやか』に支配されており、完全なさわやか信者の一人へと変貌していた。
そして周りを見わたすと、みな私に向かって「さわやか秘密教団へようこそ」とテレパシーを送っていた気がした。
さわやか信者と変化した私は、さわやかの美味しさを広めるためさっそく家に帰り食したハンバーグの写真をTwitterにアップすることにした。すると、とんでもないことが起きた。なぜか同胞であるさわやか信者が皆、私のことを一斉に非難し始めたのだ。
「なぜ! あんなに美味しいげんこつハンバーグを広めているのになんで他の信徒は私を認めてくれないのだ!」と思いながら非難文を見て見ると、初めてげんこつハンバーグを食べる場合はオニオンソースを頼むのがしきたりだったらしい。
つまり私はオニオンソースの味を知らずデミグラスソースを頼んでしまったためモグリに認定されてしまったようだ。
現在私はその汚名を晴らすべく、週末にまた高速バスで東京から静岡まで向かおうと思っている。もちろん往復の交通費のほうが倍以上するが、さわやかの『げんこつハンバーグ』それほどまでに至高かつ究極、幻想的な美味しさなのである。
最後にひとつ忠告しておくと、静岡県外に住む者が安易な気持ちで『さわやか』へ行ってはいけない。
「信者になって月1で高額な交通費を支払ってでも最高のハンバーグが食べたい」という真摯な気持ちが無い限り、聖地さわやかへ足を踏み入れてはならないのだ。その心構えができたらぜひ行ってみよう。
きっとそこには自分の想像を超えた、正気を保っていられなくなるほど美味しいハンバーグが待っているのだから。
参考リンク:さわやか公式ホームページ
写真、執筆:なかの