通勤通学に電車を使う人なら誰しもが感じたことのあることといえば、誰かしらが放ったと思われるオナラの香りである。一体誰が放屁したのか。満員電車ならば、爆心地周辺は地獄と化す。たとえ生理現象とは言えど、密集地帯で無音な放屁をするのはご法度である。

だが、音のあるオナラをするのも当然ながら推奨はできない。目立ってしまうし、とても恥ずかしい。さらにニオイ付きなら最悪である。しかしながら生理現象。もしも爆音的なオナラをしてしまった人が同じ車両にいたら、どのような反応をするのが正しいのだろうか。

その答えとなる漫画が存在する。漫画家マミヤ狂四郎氏が10年以上も前に執筆した電車内のオナラ感動物語『ドンマイ急行』をご覧いただければ一目瞭然だ。

舞台は通勤時間の小田急線。神奈川方面からの上り列車である。そこまでの満員電車ではないが、ひとりのサラリーマンが我慢の限界を突破して、爆裂的な放屁をしてしまったのだ。同じ車両に乗る男たちは、果たしてどのような対応をとるのだろうか。熱き男たちの友情物語である。

ちなみに作者のマミヤ氏によれば、この物語は「半分実話」であるという。マミヤ氏の面前で、思い切り放屁をしてしまった男性は、顔を真赤にし、力なく窓に「コツン……」と頭をもたれていたという。その時、マミヤ氏は何も言えなかったそうだ。だが、きっと今なら言える。ドンマイと。

(執筆:GO、漫画=マミヤ狂四郎