元々はテレビ業界用語だったものが、私たち一般人にも浸透するケースも珍しくないですよね。「ギロッポン」(六本木)、「ザギン」(銀座)、「シースー」(寿司)など。今回はそういった業界用語の中から、「カキタレ」という言葉に注目してみたいと思います。
カキタレは元来ひとつの言葉ではなく、「カキ」と「タレ」が合わさった言葉です。「カキ」は性行為、「タレ」は女性。つまり、カキタレとは「性行為要員の女性」を意味します。下品な言葉ですね。下品な言葉ではありますが、業界人と一般人の距離感が近付いたことで、このカキタレという言葉もずいぶん浸透した感があります。要するに、一般人のなかにもカキタレであるという人が増えつつあるということです。
カキタレをしている人は、いったいどのような意志で業界人との性行為に臨んでいるのでしょうか? 「著名人と性行為をすることにステータスを感じている」という人もいれば、「今は性行為だけの間柄だが、いつかは本命の恋人にしてくれるかもしれない」と期待している人もいるでしょう。また自身が、カキタレであることに気付いていないケースもあるかもしれませんね。
なおカキタレは決して、東京在住の人に限ったことではありません。業界人とて、私たち一般人が出張するのと同じように、地方都市に足を運ぶこともあります。その際に知り合い、地方カキタレになることも珍しくはないのです。
カキタレに対しては、賛否両論あるかと思いますが、結論としては「本人が納得しているのならそれで良いだろう」といったところでしょうか。しかし、いかに本人が「自分は今の状況で幸せ!」と思っているとしても、どうにもこうにもほっとけないケースもあります。
それは相手業界人が、二流三流どころか、五流六流……いや、百流業界人の場合です。百流業界人とは、ここでは「自称・業界人」の人々としましょう。名刺に「プロデューサー」と印字してはいるものの、いったい何をプロデュースしているのか定かではない人は、まさに百流業界人ですね。また、ブレイク前の劇団員さんやバンドマンさんや芸人さんのなかで、「何の根拠もなく業界人ぶっている人々」も百流業界人とさせて頂きます。もちろん、ブレイク前の劇団員さんやバンドマンさんや芸人さんが悪いということではありません。謙虚な心持ちで頑張ってらっしゃる皆さんは、決して業界人ぶったりはしないでしょう。
さて、百流業界人の定義づけが出来たので、次は百流業界人の特徴について紐解いていきましょう。彼らのわかりやすい特徴は、「ファンのコたちを悲しませるから、特定の恋人は作らない!」という謎の持論を押しつけ、「でも、俺に惚れているお前の気持ちには答えたい」といって性行為を求める、ということです。
百流業界人を一流業界人と信じているカキタレの皆さんは、「恋は盲目」状態になっているでしょうから気付かないかもしれませんが、こういうことを言う百流業界人は、いつまで経っても売れないことがほとんどです。恋人がいたら悲しむファンのコなどいるわけがありません。恋人がいたら悲しむような熱狂的ファンが何人もいたら、とっくに売れていることでしょう。これは、自分をわかっていないことの表れですね。自分をわかっていないから売れないのです。完全に負のスパイラルに陥っていますね。
日本国民誰もが知っているような一流業界人が、「ファンのコたちを悲しませるから、特定の恋人は作らない!」と言うならまだしも、百流業界人の分際でそんなことを言っている輩にはさっさと見切りをつけましょう。たかがカキタレ、されどカキタレ! 恋活も婚活もせずにカキタレ活動に身を投じるというのなら、一流のカキタレ目指して頑張ってください。
恋愛コラムニスト:菊池美佳子