東京ビッグサイトで5月30日から3日間の日程で、ワイヤレス・モバイル通信業界最大級の展示会「ワイヤレスジャパン2012」が開催されています。大手通信会社は元より、ネットワーク関連企業やスマホアクセサリーのメーカーなど、計180社が出展しています。なかでも事前に高い関心を集めていたのが、ドコモが参考展示している「透過型両面タッチディスプレイ」です。記者(私)は実際に端末を見たのですが、これはなかなか未来を感じさせるものでした。ただ、ひとつだけ気になる点が……。

ドコモは今回、独自に開発したさまざまな技術を出展しています。たとえば、離れた相手と仮想空間で擬似的に出会い、対話できる「3Dライブコミュニケーションシステム」や、スマホやケータイなどに触れることなく、受信したメッセージをテレビやカーナビで確認できるという「ペリフェラルディスプレイ連携」など、従来の端末に求められた機能をはるかに凌駕する技術を紹介しています。

透過型両面タッチディスプレイもそのひとつ。これはディスプレイを透過型にすることにより、その向こう側を見ることができるというものです。しかも、両面タッチパネルで端末の表と裏、両方から操作が可能。これまでにないユーザーインターフェイスを提供する狙いがあるようです。

デモ機を見た記者の感想としては、「すごい」の一言に尽きます。ただ、一点気になったのが画面の視認性です。画面は透けていますから、向こう側の光がディスプレイに映ります。つまり戸外など、周囲のまぶしい場所では画面が見づらいのではないかと感じられました。今後開発が進み、ディスプレイの光量を増加する予定なのですが、実際に活用するとなると、「やっぱり片面でいいや」ということにならないか、気になるところです。

いずれにしても、大きな可能性を感じさせるディスプレイであることに違いありません。これからの開発に期待したいところです。

Photo:Rocketnews24