北京料理の代表と言えば「北京ダック」。アヒル一羽をじっくりと丸焼きにし、そぎ落とされた肉をキュウリ、ネギとたっぷりの甜麺醤(テンメンジャン)と一緒に包んで食べる料理だ。

本場中国での食べ方はこれだけではなかった。北京ダックを注文したところ、いつもの北京ダックセットと共にどんっと白砂糖が出てきたのである。「??」と記者が戸惑っていると、砂糖を皮につけて食べろという。

アヒルの皮に砂糖をつけて食べるなんて、なんだか気持ち悪い気がするが、食べてみてビックリ! 砂糖をつけると皮がお口の中でホントにホントに溶けちゃったのだ。

日本では、北京ダックはパリパリに焼けたアヒルの皮を小麦粉で作られた薄皮に具と味噌を一緒に巻いて食べる料理として有名だ。肉の部分は食べないと誤解されがちだが、皮と肉両方提供するスタイルの店もある。記者が訪れた店は、皮と肉両方出してくれるスタイルだった。

料理人がヒョイヒョイっとその場でアヒルから皮と肉をそぎ落としてくれるのを待っていると、横からどんっと小皿山盛りの白砂糖を出された。そして店員は砂糖をそぎ落とされたばかりのアヒルの皮につけて食べるよう勧めてきたのである。

いやいや、肉料理ですよ? さらに砂糖をつけるとかありえなくないですか? と思っている記者をガン無視し、とにかく熱いうちに砂糖をつけて食べろという。

そこまで言うならと、アヒルの皮に砂糖をつけ口の中に放り込むと

……溶けた。

誇張でも何でもなく、本当に本当に事実としてアヒルの皮がお口の中で溶けてしまたのだ。また皮、すなわち脂と砂糖のコンビネーションは意外とスッキリ、とても美味しく感じられた。何この化学反応? ちなみに、砂糖をつけないで食べると皮は溶けることはない。非常に不思議な体験である。さすが中国! 4000年間、食へのコダワリつづけてきただけのことはある!

なお、肉の部分に砂糖をつけてみたところ口の中で砂糖がジャリジャリと不協和音を奏で出し美味しくはなかった。砂糖をつけるのはアツアツのアヒルの皮に限る。 

ちなみに日本にも中国の北京料理有名店・全聚徳(ぜんしゅうとく)の支店があり、北京ダックには砂糖がついてくる。他の店でも頼めば出してくれるだろう。北京ダックを食べる機会があれば、是非、お口の中で溶けちゃう体験を試してほしい。

Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

▼北京ダック

▼このアメ色パリパリの皮に

▼砂糖をたっぷりつけます

▼じゅわゎ~ん、お口の中で溶けちゃうよ!

▼肉に砂糖をつけると危険なお味、お勧めはしません