2010年11月にXbox360向けのゲームデバイス「Kinect(キネクト)」が発売されてから1年が経とうとしている。この機器は、ゲーム業界に多大な影響を与えただけでなく、実は他の産業にも大きな変化をもたらした。ロボット産業においてもその例外ではない。「2011国際ロボット展(iREX2011)」では、Kinectをコンソールとして操るロボットもいくつか見受けられ、特にインパクトがあったのはサービスロボットの遠隔操作での活用だ。

このイベントは、2011年11月9日からの4日間、東京・ビッグサイトで開催されていたものだ。日本をはじめ、海外からもロボット・関連機器メーカー、大学・研究機関などが多数参加し、最新のロボット技術を出展していたのである。

製造部門でのロボット活用もさることながら、サービスロボットの開発も目覚ましい速度で進んでいる。取り分け来場者の注目を集めていたのが、安川電機の「SmartPal Ⅶ」である。これはKinectをコンソールにモーションキャプチャで遠隔操作を実現している。

たとえば離れた場所で、介護などの人的サポートが必要だった場合に、このロボットが威力を発揮する。操作する人物は、ロボットに登載されたステレオカメラで、現場の状況を確認する。そして、Kinectを操ってあたかもその場に本人がいるかのようなサポートを実現するのだ。

広報担当の方の話では、このロボットの用途は介護だけに留まらないそうだ。今後はさらに開発を進めて、幅広い分野での応用を目指しているという。

Kinectのモーションキャプチャであれば、複雑な操作を必要としないので、もしも市販化された場合には、誰でも直感的に動かすことができるようになるだろう。また、ロボットには数種類のセンサーが内蔵されているので、安全面も十分に考慮されている。もしかしたら、SmartPalが家族の一員として人々の生活をサポートしてくれる日も、近いのかもしれない。

写真:Rocketnews24

▼ Kinectで操作するロボット「SmartPal Ⅶ」