中国の安全基準を疑う衝撃の光景に、中国人でさえも愕然としている。2008年に撮影された問題の動画には、ビル解体作業員たちが建物を壊していく様子が映されているのだが、あまりにも危険すぎるのだ。

この動画を撮影したのは、北京市内に住む中国人のbeijingvidsさん。自室のリビングルームの窓から外を見ると、驚愕の光景を目の当たりにしたという。

200メートルほどもある解体途中の高層ビルに、数名の作業員たちがせっせと作業中。ショベルカーでビルを解体しているのか……と思ったら、なんとショベルカーのアームの先のバケット部分に人が乗っている。いや、良く見ると、もはやバケットさえも付いていない。バケットの代わりに、コンクリートを破壊しやすいよう、棒状のものが付いているのみだ!

そんな不安定なところに乗れば、アームを動かされるだけで怖いと思うはず。ところが、今度はどうするのかと思ったら、なんと、ビルの外側にアームを伸ばしたのだ。作業員が乗ったアームの下は、空中が広がるのみ。落ちたら絶対に命はないと誰もが確信するほどの高さである。

よく見ると、命綱らしき細い紐が作業員とアームを結び付けているのだが、万が一足を滑らせでもすれば、ブッツリと切れて作業員もろとも真っ逆さまに落ちてしまうのではないかといった感じの心許なさ……。

それでもこの作業員は、勇敢にもアームから手を離し、ビルの外壁部分の切り離し作業をしている。ショベルカーを運転する方も、責任重大。まるでボリショイサーカス団でも見ているかのような手に汗握る光景だった。

この様子を見たbeijingvidsさんは、「莫大なお金を節約するために、非情に少数の作業員と機械だけを使い、労働者の安全を軽視して解体作業をしている。命を危険にさらすだけだ」と非難している。

作業員たちの命がけの作業には拍手を送りたいが、労働者への安全基準や人権をもっと重視して欲しいものである。こういった部分がしっかりできなくては、世界最大の経済大国になったところで先進国入りはまだまだ先であろう。

参照元=youtube beijingvids

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