日本国内の電子書籍市場は拡大を続け、2009年度には約600億円規模まで成長した。今年度以降は、iPadやKindleといった新たな端末の登場と普及によってさらに市場が拡大すると期待されている。この国内における電子書籍市場が真に成熟するためには、携帯電話所有者全体の2割程度という現在の電子書籍利用者の割合を飛躍的に向上させることが不可欠と言われている。そんな中、電子書籍市場へ新たな企業が参入する。
エヌ・ティ・ティ・ソルマーレは、ユーザーの読書スタイルに応じて、30分から1ヶ月までの6種類のメニューから利用時間を選んで、その時間内はサイト内のコミックがいくらでも読めるという日本初の時間制電子書籍サイト『定額よみっぱー』を、2010年8月16日より開始した。
価格は、個別メニューの場合、『よみっぱー個別100』が利用時間30分で105円(税込み)、『よみっぱー個別200』が利用時間90分で210円(税込み)、『よみっぱー個別500』が購入日の翌日末まで(1泊2日)で525円(税込み)、『よみっぱー個別800』が購入日の翌々日末まで(2泊3日)で840円(税込み)。
月額メニューの場合、『よみっぱー 980』が月末まで(時間制限無し)が1,029円(税込み)、『よみっぱー 500』が月末まで(9時~18時の間)が525円(税込み)。
ところで、これほどまでに料金体系が多いメリットは、どこにあるのだろうか。
たとえば、本格的に利用し始める前に、まずは30分間だけケータイコミックを読んでみるといった使い方が可能なので、電子書籍を初めて利用する人でも気軽に試すことができるわけだ。
『電子書籍元年』と呼ばれる今年、エヌ・ティ・ティ・ソルマーレは、『定額よみっぱー』をきっかけにユーザーに電子書籍に慣れ親しんでいただくことにより、電子書籍市場全体の更なる拡大に貢献したいと考えているようだ。同社の思惑どおりになるだろうか。