石窯で焼き上げた料理がおいしい理由は、高温で素早く表面を焼き上げ、食材の旨みを閉じ込めて仕上げるためだと言われている。とはいえ場所をとることから、石窯がある家庭はごく一部に限られていた。

「だけどうちにも石窯が欲しい!」という人に朗報だ。東芝は2010年7月22日、家庭でも石窯を再現できるオーブンレンジ『石窯ドーム ER-HD500』を9月初旬より発売すると発表した。価格は、オープンプライス。

『石窯ドーム ER-HD500』の素晴らしいところは、何と言っても場所をとらない点だ。両側面に真空断熱パネルを新採用することでキッチンや食器棚などの壁に、背面や左右をギリギリ10cmまで付けて設置することができる。

石窯としての機能も優れている。オーブン調理時に庫内を高速で350度の高温に加熱するため、セラミック含有塗料により遠赤外線を多量に発生し、熱風をすばやく庫内に循環させる湾曲天井の『石窯ドーム構造』を採用したことで、石窯での調理に近づけているのだ。

加えて、オーブン調理用の『遠赤包み焼き角皿』に周囲にスリットを設けることによって、2段調理時にも『石窯ドーム構造』による熱風を効率よく前後左右から循環して焼き上げることが可能となった。オーブン調理の他にも、最高400度の過熱水蒸気で余分な油を落とすヘルシーな調理や、オーブンと組み合わせたハイブリット石窯調理が可能となっている。

東芝によれば、高級タイプのオーブンレンジを購入するユーザの約5割が自宅でパンを焼きたいとの要望があるため、今回の製品ではパンメニューも充実させている。

内食化の傾向により、最近になって各社が新しいオーブンレンジを発表してきているが、東芝は近年増える傾向にある『キッチンボード』と呼ばれる食器棚兼用の家電収納棚への設置時に生じる高さと幅の制約にも対応した本製品で、オーブンレンジ市場に攻勢を掛ける構えだ。