近ごろ『食べるラー油』がはやっている。もともとは沖縄の『石垣島ラー油』、久米島の『くめじまラー油』がインターネット上で話題となり、昨年から今年にかけて大手の食品メーカーがラー油市場に参入。日本中でブームとなった。そして、ファーストフードチェーンのモスバーガーまで『ラー油バーガー』を期間限定で販売。『食べるラー油』は新たな調味料として、すでに食卓にその地位を占めている。
そんななか、あえてラー油ではなくラードをご飯にかけて食べてみた。ラー油とラードって名前も似ているし……。
ラードとは豚の脂を精製した食用油脂である。この油脂は、常温で白いクリームのような状態。27~40度と比較的低い温度で溶けてしまう。熱いご飯の上にのせると何を食べているのか、わからなくなってしまうので、あまったライスの上にのせて食べることにした。
スーパーマーケットでチューブのラード、250g入り220円のものを購入。そのチューブを、昨晩のあまったライスに豪快に絞り出す。白いライスの上に、脂でギラギラしたラードがドッカリと乗る。ラードとともにご飯をすくい上げ、思い切り口に放り込んだ。
「ぬわ!」っと思わず声が出た。口のなかいっぱいに脂がひろがり、激しく甘い。ライスはあまり味がしないので、ラードの甘さだけが口にひろがる。そしてヌルヌル、ネバネバとする。甘さに耐えかねて、味わう事なくそのまま飲み込んでしまった。
これはこのままでは食えない。ラードのみでご飯を食べるのは無茶だ! 脂っこさもキツイが、それにも増して甘さがハンパではない。そこで塩分を補うために、醤油(しょうゆ)をドバっとかけてみた。そして再び口に入れてみたところ……。
これはウマイ! 甘さと塩分が見事に調和して、味を楽しめる余裕ができた。脂っこさは気になるものの、結構イケる! いや、むしろクセになる食感。気がつけばご飯を全部食べ切ってしまった。
ラードだけでご飯を食べるのは無謀だった。しかし、しょう油と相性が良いことを発見した。この成果は大きい。おそらくしょう油だけでなく、キムチや塩辛など塩分の高いものとの相性も良さそうだ。今後もラードの新しい食べ方を模索したいと思う。ラー油に負けるなラード!
Photo by Rocket News24 Staff / 佐藤記者撮影