ムーミン、サウナ、そして携帯電話のノキアで知られる北欧の国フィンランドは、世界初の完全禁煙国を目指し、今年6月に国会で新しい反喫煙法が決議にかけられる予定らしい。
その法案の具体的な内容とは、「たばこ及びたばこ関連商品の陳列を禁止」するというもので、この法案が採択されれば、大小全ての販売店の軒先からたばこの陳列が無くなる。
消費者は店員に、自ら希望のたばこの銘柄を指定し購入することはできるが、日常的にたばこやたばこ関連商品が国民の目にさらされることが無くなる。これにより、非喫煙者や未成年者に対してまでのたばこの商品イメージの定着を防ぐことが目的らしい。
これに対しフィンランドの大手タバコ会社は法務省に異議申し立てをしている。タバコ会社側はこの法案の導入によってたばこの裏取引が活発化する可能性を示唆している。そしてタバコを隠すことによって逆に未成年者が興味をそそられる危険性も同時に指摘しているという。
フィンランドではタバコに加えて酒類の販売規制も厳しく、夜9時以降は販売店で酒類の購入は出来ないらしい。その上値段も高いので、船に乗って海を越え物価の安いエストニアへ大量に酒やタバコを買いに行くフィンランド人が多いのだとか。
兎にも角にも、このタバコ撲滅運動はフィンランドにとって吉と出るか凶と出るのか。タバコ規制問題が世界中で囁かれる今、各国がフィンランドの動向に注目している。フィンランドの結果によってはその他の国でも同様の法律が定められる可能性もありえる。
記者:須久和