成人識別ICカード『taspo(タスポ)』は顔写真付きのカードで、タバコを購入する際に必要となる身分証明カードのようなものだ。これがないとタバコを購入できない店もあるようで、未成年者が簡単にタバコを購入できないようにしている。社団法人日本たばこ協会 (略してTIOJ)は定期的に『タスポ』作成のキャンペーンをやっており、作るのが面倒と思っている人たちにもタスポが行き渡るよう、駅前などで『タスポ』作成の活動している(その場でデジカメ撮影をして顔写真を作ってくれるそうだ)。

そんな『タスポ』だが、とある旅行者が興味深い報告(?)を編集部に寄せてくれた。海外の美術館の窓口で『タスポ』を提出したところ、学生じゃないのに学割で美術館に入れてしまったのだという。美術館の職員を騙すとは、これはいただけない。この旅行者によると「騙すつもりはなかったのですが、身分証明できるものはあるかと言われたので免許証がなかったから『タスポ』を出したんですよ」とのこと。

その『タスポ』を見た美術館職員が旅行者を学生と判断したのか、学割料金適用で入れてしまったようである。どうしてそれを学生証と勘違いしたのだろうか? 憶測ではあるが、『タスポ』には顔写真が掲載されているために学生証と勘違いしたのではないかと思われる。学生証としてはあまりに簡単な情報しか記載されていない『タスポ』だが、その職員は「よくわかんないけど学生なんだろうな」と思ったに違いない。

ちなみにタイでは、偽物の学生証を1500円程度で作ることができ、イギリス、アメリカ、日本などの各国の主要大学の学生証を作ることができる。学生証だけでなく免許証までもが1500円程度で偽造してもらえるということで、タイに行ったついでに作って帰国する欧米人が多くいるようだ。そこまですると偽造ということになり犯罪になりかねないが、『タスポ』を学生証と間違ってしまうのはこっちのミスではないので特に問題はない? ……いやいや、騙すのはダメである。学生証がないのであれば正直に大人料金で入るようにしよう。
ちなみに日本人は海外で実際の年齢より若く見られるようで、学生証がなくても学生と思われて30~40代の男女が学割料金で施設や乗り物に乗れてしまうことがあるらしい。容姿が幼く見られるというのは嬉しいのか悲しいのか、微妙なところである。