中国では国内にある複数の少数民族へ様々な優遇を行っている。もちろんその優遇が少数民族にとって真の優遇かといえばそうとも言えないだろうが。例えばその1つに『大学入試優遇』といったものがある。これは大学入試を受ける際に、中国語を理解できないハンディキャップがあるとして、少数民族らの合格点を低くする処置だ。

しかしながら、この『大学入試優遇』は最近悪用されている。例えば、中国・重慶市で少数民族だと偽装したある受験生が重慶市の今年度センター試験の1位になったことが発覚し問題になった。もちろん北京大と香港中文大学はこの受験生の入学を拒否したという。また、これ以外にも既に20人程度の”少数民族偽装受験”が発覚している。

実際、小数民族優遇策の悪用は今に始まったことではない。20年ほど前から、モンゴル族ではない人が知らないうちにモンゴル族になったということはよくあった。受験と官僚採用のため優遇策を悪用したのだ。これだけではない。優遇策を悪用し山東など沿海の入試合格点が高い省から、内モンゴル、寧夏自治区へ受験移民も出てしまったほど。結局、少数民族の優遇策は食い物にされてしまった。

現状として、中国の少数民族への大学入試優遇策は少数民族にとってはたまらないものとなってしまっている。

■参考リンク
肖金徳の看中国

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