大手牛丼チェーン「すき家」が2月1日から全国発売した新メニュー『牛まぶし』。その名の通り「ひつまぶし」の牛丼版で、薬味とだし汁を入れ、お茶漬けのようにサラサラっといただく商品だ。

すき家の公式サイトには、「1杯で2度おいしい」と自信満々で書いてある。はたして本当に1杯で2度おいしいのか? ということで、二日に一度はお茶漬けを食べているという大のお茶漬けフリークの記者を連れて実際に食べてみたぞ!

注文したのは「並」サイズ。値段は480円。出てきたお盆の上には、いつも通りの牛丼と、薬味(ねぎ、粒山椒、わさび)、だし汁、そしておしんこが乗っている。

店内のメニューにも、そして公式サイトにも、念を押すように「半分くらいはアツアツの牛丼をお楽しみ下さい。」と書いてあるので、まずは素直に普通の牛丼を一口パクリ。……いつもの味だ。

しかし半分まで食べ切る前に、どうしても「だし汁」を入れたくなってしまう。我慢できないので薬味を乗せてだし汁投入。そしてお茶漬けのようにズズズズッと男らしく豪快に掻っ込んでみた。……こっ、これは!?

牛丼のパワーをだし汁で中和。そこに粒山椒が絶妙に混じり合い、実にうまく「まとまった」一品となっているではないか!と記者(私)は思った。

しかしお茶漬けフリークの記者は「とりあえずはおいしい。しかし、どうしても牛丼パワーを抑えきれていない気がする」と辛口のコメント。彼の持論はこうだ。

「お茶漬けやひつまぶしなどの『注ぎ系メシ』は、メシ、汁、具が三位一体となり、絶妙なハーモニーを奏でることで初めて成立する。お互いの弱点を補い合う調和の食、それこそが注ぎ系メシ。しかし『牛まぶし』は、少しだけ牛肉のパワーが強い。少年隊に例えるならば、ヒガシだけが目立っているようなものだ」。

そう言われると、たしかに「牛丼」のパワーが強い気もする。また、すき家の忠告「半分くらいはアツアツの牛丼をお楽しみ下さい」を守らず、序盤からだし汁を投入してしまったために、途中から「飽き」が生じてしまったことも事実である。

しかし、「前半牛丼、後半牛まぶし」の鉄則を守れば、実においしくいただけるメニューであることには間違いない。「1杯で2度おいしい」は、鉄則を守って初めて成立するのである。

執筆:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.